(本の画像はお借りしました)
週刊誌などで時折目にする佐藤さんの見た目は、巨漢で顔色があまりよくなく、成人病持ってそうだな、と思ってはおりました。
案の定、現在(2023年2月脱稿時点)の病状は
1)末期の腎不全で週3回の透析を受けている
2)前立腺がんで前立腺全摘済
3)心臓の冠動脈に狭窄がありステント治療を受けた
そして、奥様からの腎移植待ちとのことです。
訂正⇒2023年、奥様をドナーとする腎移植に成功されたとのことです。
プロレスラーや相撲取りでもないのに、そういう人達なみに腎臓を酷使した背景には外交官という仕事がありました。
1991年12月、ソ連が崩壊し、ゴルバチョフが行方不明になっていた時も、世界に先駆けて「ゴルバチョフは生きている」と本省に打電したのは佐藤さんでした。北方領土問題で鈴木宗男の事件に巻き込まれ、投獄された経験もあります。そんな波乱万丈の裏の成人病進行。
89年ごろからロシア人と会食をしながら情報を取るようになってから急に太り始めた。場合によっては昼食と夕食をぞれぞれ二回ずつとることもあった。1日の摂取カロリーは5000キロカロリーを軽く超える・・・90年には100キロを超え・・・ときに110キロくらいになることもあった
プロテスタント信者である佐藤さんの信条は「命ある限りやるべきことに全力を尽くす」というもの。
佐藤さんが語る「病」についての教養は、誰にとっても限られた「生」を悔いなく全うするための「病」との向き合い方のヒントになります。
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佐藤さんと主治医である片岡浩史先生(東京女子医大病院腎臓内科)の対談部分(一部それぞれの著述)では、
医局制度のメリットとデメリット
医療全体の力が落ちている
「医学部ブーム」が危ない理由
などが語られます。
片岡先生は異色の経歴の持ち主で、ニューヨーク生まれ京都育ち。京大法学部卒業後にJR西日本に就職。3年後に鹿児島大学医学部に入り直して医師になったそうです。
日本の医療システムを称賛して
アメリカなら、生活保護を受けている人が大学病院に行くなんてことは考えられません・・・日本の大学病院において提供される医療は、患者の収入とは関係ない。
腎臓の怖さを教える言葉
腎臓が見えれば全身が見える
医学部ブームへの警鐘
エリートとして育てられて純粋培養で来てしまって・・・学費が1000万円ぐらいの予備校に通って私大の医学部を出る、というコースが今は増えています。そういうコースとは違う道も可能なんだということがこの本を読めばわかります・・・
腎臓の怖さは身に沁みてます。
父は腎臓で命を落とし、わたくし自身も妊娠末期に妊娠中毒症(尿が出ない⇒むくむ)になったことがあります。
主治医に言われました。 あなたは腎臓が丈夫じゃないと思うから一生薄味でね!
たかが腎臓 されど腎臓 です。
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著者の佐藤優さんは、1月23日放送の NHK クローズアップ現代 に登場しました。
週刊誌で見た画像とは打って変わって、ほっそりとして顔色もいい。
しかし、めったにテレビには出ないという佐藤さんがNHKに出演した背景には、持病とそれによる余命を意識したことがあるようです。
そのYOUTUBE動画↓
(2) 「スローガンでなくリアリズム」作家・元外交官 佐藤優さんは世界情勢をどう見る?日本がすべきこと、若い世代への思いとは?【クロ現】| NHK - YouTube
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佐藤さんの場合、溢れる教養のために収拾がつかなくなり一冊の本としてのオチが弱い傾向があります。
そこが読みどころです 笑。
以前に紹介した本もそうでした↓
佐藤優の口ぐせ 「それだから」 | ☆ Pingtung Archives ☆ (ameblo.jp)