2年前に原作の小説を読んで、映像化されたらぜひ観たいな、と思っていた作品です。
いまや、いつでも1200円で映画を観られる年齢になり、有難く封切の翌日に行ってきました。
(画像はお借りしました)
あらすじ
舞台は1950年代~60年代のアメリカ。
ノースカロライナ州の湿地で男性の死体が発見された。人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。
そして被疑者として法廷に立ったカイアが、自らの半生を静かに語り始める。
6才で家族に見捨てられた時から、カイアは湿地のほとりの小屋でただひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のために彼女のもとを去っていく。以来、村人から「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしある時、村の裕福な少年チェイスが彼女に近づく・・・
そして被疑者として法廷に立ったカイアが、自らの半生を静かに語り始める。
6才で家族に見捨てられた時から、カイアは湿地のほとりの小屋でただひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のために彼女のもとを去っていく。以来、村人から「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしある時、村の裕福な少年チェイスが彼女に近づく・・・
みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。
大きなスクリーンと音響で、たしかにノースカロライナの湿地にテレポートできたように感じました。
「湿地と沼は違う」と冒頭のナレーションが呟く通り、物語の舞台である湿地には「沼」にはない光が降り注ぎ、どこまでも続く空とともに、主人公カイアを過酷な現実から救っているようにも見えます。
映画は概ね原作に忠実で、1950-60年代のアメリカ南部の町の様子など、期待を裏切りません。
ただひとつもの足りなかったのは小物の描写。
例えば小説を読んで想像していた食べ物
-トウモロコシ粥とラードでいためたスクランブルエッグ
-やっと焼けるようになったほろほろのコーンブレッド
-からし菜と豚の背骨とトウモロコシ粉を煮込んだシチュー
-カブの葉
-アーモンドの衣で揚げたノース・カロライナ産のマス、ワイルドライス、ホウレン草のクリームあえ、それにロールパン
食べ物以外では
かあさんが家出するときに着ていた、「茶色いロングスカート」「つま先がずんぐりしたワニ革風のハイヒール」
などの存在感が薄かったのは残念。(←個人の偏った思い入れです)
それにしても、主人公のカイアが死ぬまで暮らした湿地の小屋は素敵です。
ちょっと憧れます。
エンディングで流れるTaylor Swiftの歌の不穏な響きが、カイアの身の上の不条理を映します。