今まで
日本の大学進学率は高い。
みんなが大学に行くから大卒の価値が低い
そう思い込んでいた。
日本の最高学府 東大
だから友人に、日本ってみんな大学に行くじゃない と言われれば、そうだね、とすぐに同調してしまう。
けれど、実態はそんなことなかった。
友人が「低い」というイギリスの大学進学率は63%で、友人が言うように「イギリスで大学に行くことが特別なこと」にしては結構高い。
一方、誰もかれも大学に行くと思いこんでいた日本の大学進学率は51%でイギリスよりも低く、世界では22番目。OECD平均の61%を大きく下回っている。
じゃあ、イギリスよりも大学進学率が低い日本では、より大学を出る価値があるのか?
(産業競争力会議下村大臣(当時)発表資料「人材力強化のための教育戦略」より)
厚労省の統計によると高卒と大卒の初任給の差は42,800円。
高卒の初任給 167,400円をベースにすると、大卒初任給はなんと25%ほど高い。
少なくとも初任給的には価値がある、と言える。
(厚労省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給 より)
問題は・・・この給料の絶対水準ですね。
なんか、いつの時代の給料? って感じです。
ちなみに大卒初任給の世界ランキングで日本は20位。
(kukutena.comの数字をもとにpingtung作成)
日本の大卒初任給(20万6千円)は、1位のスイス(73万2千円)のわずか28.14%
3位のアメリカ(48万5千円)との比較でも42.47%
日本はなんでも安いと思ってはいたけど、ビッグマックの値段では説明のつかない低水準。
壮大な社会的実験のような数字です。
長い不況の結果です。
この30年、日本経済は時に動意を見せましたがそれは深海魚が海底でバタついて起こす砂ぼこり程度のもの。
株価を見るとよくわかります。
(楽天証券 トウシルより)
いちばん底のグレーの日本株式の線、見えますか?
もう、死んだ人のパルスみたいなチャートです
過去30年で世界の株価は8倍、アメリカにいたっては20倍になったというのにわが日本の株価はたったの1.04倍。
これはもう資本主義国の株価じゃない。
なんとか蘇生しようと黒田日銀総裁が何度バズーカ砲かましても息を吹き返してくれない病人。
話がそれました。
大学を出ることの意味を考えるはずが、安い労働力の話になってしまいました。
切なくなるのは、そんな国に生まれ、ひょっとしたら父母の初任給より少ない給料目指してせっせと塾通いする子供たちのこと。
その給料すら高齢者の福祉に吸い取られる運命。
どうやら近頃の学校はこの少子高齢化問題だけは声高に刷り込んでいる模様で、ウサギ(娘)ですら
「私たちが高齢者の年金を払うんでしょ、私たちの何倍もの数の高齢者の」
なんてつぶやく。
こっちは答えに窮しながらも
「そろそろ流れが変わるよ。ひとりがたくさん稼げる時代が来るかもしれないよ」
とかなんとか返すしかないのですよ。
もう、昔の日本はねえ、とか言っちゃいけない状況です。
こんな国にしたのはほかならぬ私たちなのだから。
でも、弱り切った病人には、もう時間がない。
とりあえず、病状を改善できなかった政治家の先生方にはいったんお引き取りいただいて別のドクターに診ていただかないと。
アホは百も承知で言えば、もう政治家のみなさまに休職していただいてどこかのコンサル会社に政策立案とか予算配分とかやってもらったほうが生存確率は高まるかもしれない、そんなレベルだとつくづく思いますよ。
③に続く。