上海の欧州系企業で働く平社員の日記 -4ページ目

上海は遠くにありて想ふもの

おはようございます。先ほど窓を開けたら、窓の外が銀世界になっていた安徽省某所です。といっても、先日の雪より少し多い程度。すぐ溶けてなくないそうな感じです。

いつまで続く農村暮らしって感じですが、冷静にカレンダーを見ると、あと2週間後には、日本のオフィスに復帰(予定)なんですね。それまでの間に、上海に戻り、日本に帰国して、新居の準備などなど忙しくなりそうです。

ということは、残り少ないゆったりとした農村暮らしの時間はなんとも貴重なものになりそうです。

このブログでも書いているとおり、上海に戻る切符をいつ、どのように買いに行くのかが、個人的には大問題なのですが、どうやら明日、合肥に行って買うことになりそうです。てか、もう昼間のチケットとか売り切れてそうな気がしますが(苦笑)

ところで、中国での列車に乗る場合に時刻表チェックなどに便利なiPhoneアプリに「全国列车时刻」(全国列車時刻)というのがあります。iPadにも対応していて、列車の時刻、あとはチケットの値段などが検索できるので、何かと便利です。ただ日付指定が出来ないので、春節時期の臨時列車などは直前になるまで、その存在が分からないなどの問題もあるんですけどね。。。

これを見てみると、いろいろな事が分かるのですが、今や上海と南京の間は、ひっきりなしと言っていいぐらいに動車が走っていて、だいたい無錫あたりが上海から1時間圏内と言えそうです。チケット代を見ると、上海から無錫が二等車で39元(約510円)、それほど高くないですね。1ヶ月平日だけ往復して約2万円。

収入との比率を考えると、ある程度収入のある階層に限られるでしょうけど、蘇州や無錫に住んで上海に通勤するなんていう新幹線通勤族が、そろそろ出現、いや実際に出現してそうな気がします。こんな状況になるなんて、上海に来た4年前には想像すらできませんでした。

先日、東京のGDPは都市別で世界一だという記事を読んだのですが、日本の東京(圏)も関東平野という(日本にしては)バカでかい平野に交通網が網の目のように張り巡らされることによって、巨大都市圏になった訳ですよね。

この記事を読んで、日本もなかなかやるじゃんという印象を持った人も多いハズです。おいらもその一人だったりしますが、もう1つの考えも浮かんできました。実はもう上海市の中には、もう大規模新規開発する土地がないなんて話を聞くのですが、この急ピッチの交通整備によって、長三角(長江デルタ)地帯が一体化してひとつの巨大都市圏のようになるんじゃないのかなって。

実際に広東省の珠江デルタでは、これに似た動きがすでに出ているようですしね。

こんな感じで思いっきり思考をめぐらすことが出来るのも、あと数日。大切にしないと行けませんね(笑)

意外な訪問者

おはようございます。村に来て丸2週間が経過しました。早いような遅いような。いずれにしてもゆっくりとした時間が流れています。

今日は、言葉のお話です。この村で話されている言葉は、いわゆる安徽省の方言です。同じ安徽省の安慶出身の弟の嫁は聞き取れるものの、普通話を話しているところを見ると、安徽省の言葉というよりかは、この周辺で使われている方言であることが分かります。

ということで、新HSK6級を持っている(となにげにアピールしてみるw)オイラでも、何を話しているのかさっぱり分からない事の方が多いですね。ただ、全体的な特徴としていくつか気がつきました。

まず、二重母音(もしくは副母音)を普通話のように明確に分けて発音しません。例えば、

菜 cai → つぇー
过来 guolai → ごれー
开 kai → けー
面 mian → み

・・・他多数(笑)

あとは、siとxiの発音が同じ。どっちも「しー」に聞こえますし、v(uの上にウムラウト)の発音は、日本語の「う」に近い。あと、eの発音も、日本語の「え」に近いですね。例えば、

车子 chezi → ちぇーず

(cheの部分は)ローマ字読みで行けます。

この手の法則は、しばらく聞いていると慣れてくるのですが、普通話と違う語彙があてがわれているようなケースにはお手上げですね。こないだも、うちの嫁が日本語で「(こっち)来て」とオイラを呼んだところ、義母がきょとんとしています。何事かと思ったら、「きて」というのは、こちらの言葉で「(あっち)行って」という意味らしいのです(笑)

と言うわけで、村にいると普通話を聞く機会がほとんどなく、しかも上手く聞き取れないから、自分のリスニングが劣化したんじゃないかと軽く自己嫌悪に陥りかけていたのですが(ウソ)、昨日事件が発生しました。

朝から玄関の前でひなたぼっこしていると、近所の方から、非常に分かりやすい普通話で、

您好,打扰您!(こんにちは、お邪魔します)

というお姉さんの声が聞こえます。村で聞くことは到底あり得ない、きれいな普通話です。しばらくすると、我々の家にもやって来ました。

小姐「こんにちは。幼稚園のご案内です。柘皋(丘のふもとにある鎮)にあります。」

と言って、ピンク色のビラを渡して、すがすがしく立ち去って行きました。まあ一応、ブログのネタにでもと思い、一応ビラの内容を読ませてもらうことに。

巣湖(市の中心)にある私立幼稚園の分園が、この村から一番近い鎮にも出来たようで、「自分のお子さんを同年代の中でもっとも賢くて、すごい子供に育てたいと思いませんか?外地で仕事していても、子供の様子がいつでも手に取るように分かったら良いなと思いませんか?であれば、当幼稚園に見学にいらしてください」

てな書きだしで、いかにこの幼稚園が素晴らしいかと言うことが文字でぎっしり書かれていました。この村にインターネットで教室の様子が見える幼稚園というのは確かに画期的。それを宣伝に来る先生の言葉が綺麗な普通話ってのも、ある意味高いレベルの教育をしているという格好のアピールになるのでしょう。

でもね、この時期にチラシを配っているということは、思ったほど園児が集まらなかったんでしょうか?

だって、この地域のインターネット普及率を考えたら、ネットで教室の様子を見れるというのが、必ずしもウリにはならんでしょ。あと、若い人は都市に出稼ぎに出ている世代が多いので、このチラシを目にする人は対象年齢の園児の祖父母。それに文字ぎっしりで訴えても、このエリアでの年齢層の識字率はあんまり高くないのが実情。

ぶっちゃけ進出が少し早すぎたのかもなんて、余計なお世話な事考えてしまいました。

そんな訳で、村で久しぶりにきれいな普通話を聞いたというお話でした。

とりあえず、この村で話が聞き取れないのは、方言のせいであり、普通話であれば、今でも問題なく聞き取れることが分かっただけでも、オイラ的には大収穫です!(違)

アレも再利用

おはようございます。今日は日本では建国記念日で祝日ですよね。ここ数年、日本の祝日とは無縁で過ごしてきましたが、もうすぐ日本のカレンダーで働く日がやってきます。

関東地方は雪という予報が出ていたそうですが、実際はどんな感じでしょうか?こちら、安徽省某所も昨日の天気予報では、雪とのことでしたが、降ったのは昼過ぎぐらいまで。朝方に木々や建物の屋根にうっすらと白くなりましたが、その後気温が上がったのか降り終わる前に溶けちゃってましたね。1月下旬に上海で降った雪よりも少ない感じでした。

この年になっても、雪が降ると聞くと少しテンションが上がってしまう大人げない3X歳です。(←今更隠すなw)

たびたび書いているように、ここは農村。当たり前ですが、大半の家では、農業で生計を立てています。昨日の朝、まだ雪が降っている時間帯に外を見ると、畑で作業をしている人がちらほらと見えました。うちの義父も畑に出ていたみたいです。

これは、昨日が旧暦のしきたりで何かする日と思っていたのですが、そうではなくて、単純に雨の日に肥料をまくと、その養分が地下に浸透しやすいというのが理由とのこと。なるほどねぇと妙に納得。

「農業もなかなか奥が深いなぁ」と薄っぺらい言葉が頭の中に浮かびましたw

ちなみに、この周辺では、化学肥料は多用しておらず、代わりに人から出る・・・(以下略w)は肥料として再利用しています。

トイレが水洗ではないのは、そのあたりの理由がある訳ですね。

ちなみに、特定の作物だけを作っている感じではなく、米、野菜、綿花、落花生などを栽培している家が多く、ほとんど機械化はされていません。その代わりに近所の家数軒と共同で牛を一頭飼っていて、農作業に使っているようです。なので、納屋の中を覗いてみると、たまに大きな牛(推定1トン)が、草をムシャムシャ食っているところを見かけます。牛の面倒を見る「牛当番」ってやつですね。

自分の見たこの村の様子をもって、中国の農家の平均値と見なすのは乱暴だとは思いますが、まだまだ人手に頼る部分が大きな、比較的小規模な農家が多いのではないかという印象を持ちました。機械などを入れて効率化するのも短期的には難しいと思います。機械の購入費用、あとは燃料代などの維持費を今の安い農産物買取価格、かつ現在のような小規模経営でカバーするのは、相当難しいはず。

ここ最近、上海で買う食料品の価格も値上がりが続いているので、おそらく農産物の買い取り価格は、(農村部の不満を和らげるためにも)少しずつ切り上がっているのでしょうけど、短期的に中国の農業が劇的に変わることはなさそうな気がします。何せ、都市と農村部の経済格差が、今のところは、中国の強い競争力の源泉になっている訳ですからね。

朝から小難しい話はしたくないので、このくらいにしておきますが、このお国が農業に対してどういう舵取りをするか?これは対岸から(笑)注視しておきたいと思います。