意外な訪問者 | 上海の欧州系企業で働く平社員の日記

意外な訪問者

おはようございます。村に来て丸2週間が経過しました。早いような遅いような。いずれにしてもゆっくりとした時間が流れています。

今日は、言葉のお話です。この村で話されている言葉は、いわゆる安徽省の方言です。同じ安徽省の安慶出身の弟の嫁は聞き取れるものの、普通話を話しているところを見ると、安徽省の言葉というよりかは、この周辺で使われている方言であることが分かります。

ということで、新HSK6級を持っている(となにげにアピールしてみるw)オイラでも、何を話しているのかさっぱり分からない事の方が多いですね。ただ、全体的な特徴としていくつか気がつきました。

まず、二重母音(もしくは副母音)を普通話のように明確に分けて発音しません。例えば、

菜 cai → つぇー
过来 guolai → ごれー
开 kai → けー
面 mian → み

・・・他多数(笑)

あとは、siとxiの発音が同じ。どっちも「しー」に聞こえますし、v(uの上にウムラウト)の発音は、日本語の「う」に近い。あと、eの発音も、日本語の「え」に近いですね。例えば、

车子 chezi → ちぇーず

(cheの部分は)ローマ字読みで行けます。

この手の法則は、しばらく聞いていると慣れてくるのですが、普通話と違う語彙があてがわれているようなケースにはお手上げですね。こないだも、うちの嫁が日本語で「(こっち)来て」とオイラを呼んだところ、義母がきょとんとしています。何事かと思ったら、「きて」というのは、こちらの言葉で「(あっち)行って」という意味らしいのです(笑)

と言うわけで、村にいると普通話を聞く機会がほとんどなく、しかも上手く聞き取れないから、自分のリスニングが劣化したんじゃないかと軽く自己嫌悪に陥りかけていたのですが(ウソ)、昨日事件が発生しました。

朝から玄関の前でひなたぼっこしていると、近所の方から、非常に分かりやすい普通話で、

您好,打扰您!(こんにちは、お邪魔します)

というお姉さんの声が聞こえます。村で聞くことは到底あり得ない、きれいな普通話です。しばらくすると、我々の家にもやって来ました。

小姐「こんにちは。幼稚園のご案内です。柘皋(丘のふもとにある鎮)にあります。」

と言って、ピンク色のビラを渡して、すがすがしく立ち去って行きました。まあ一応、ブログのネタにでもと思い、一応ビラの内容を読ませてもらうことに。

巣湖(市の中心)にある私立幼稚園の分園が、この村から一番近い鎮にも出来たようで、「自分のお子さんを同年代の中でもっとも賢くて、すごい子供に育てたいと思いませんか?外地で仕事していても、子供の様子がいつでも手に取るように分かったら良いなと思いませんか?であれば、当幼稚園に見学にいらしてください」

てな書きだしで、いかにこの幼稚園が素晴らしいかと言うことが文字でぎっしり書かれていました。この村にインターネットで教室の様子が見える幼稚園というのは確かに画期的。それを宣伝に来る先生の言葉が綺麗な普通話ってのも、ある意味高いレベルの教育をしているという格好のアピールになるのでしょう。

でもね、この時期にチラシを配っているということは、思ったほど園児が集まらなかったんでしょうか?

だって、この地域のインターネット普及率を考えたら、ネットで教室の様子を見れるというのが、必ずしもウリにはならんでしょ。あと、若い人は都市に出稼ぎに出ている世代が多いので、このチラシを目にする人は対象年齢の園児の祖父母。それに文字ぎっしりで訴えても、このエリアでの年齢層の識字率はあんまり高くないのが実情。

ぶっちゃけ進出が少し早すぎたのかもなんて、余計なお世話な事考えてしまいました。

そんな訳で、村で久しぶりにきれいな普通話を聞いたというお話でした。

とりあえず、この村で話が聞き取れないのは、方言のせいであり、普通話であれば、今でも問題なく聞き取れることが分かっただけでも、オイラ的には大収穫です!(違)