二宮金次郎 | 小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

労働エッセイストの松井一恵です。小さい会社には小さい会社にしかできない労務管理の方法があります。
丸17年社会保険労務士として生きてきて、みんなに知ってほしいこと、未来に残したいことを書き残そうと思います。

通勤電車の中でお隣に座った人が、小さいパソコンひざにのせて、にらめっこしています。

動画でも見てるのかなと思ったら、エクセルの表を見ながら、何やら入力しておられます。見る気はありませんけど、見えます。

ウォーターサーバーの商品テストのデータやら、アンケート結果やら、プレゼンのためとおぼしきパワーポイントの資料やら、その他もろもろ。社名も見えます。

 

忙しいのかもしれません。もしかして、デキル男アピールか?でも、

私がスパイだったら、いや、ま、私のようなおばちゃんがスパイなわけはないのですが、取引先だったり、顧客だったりしたときに、この光景を見たら、絶対に自分の情報をこの人に渡したくないです。

怖いです。危ないです。

住所やクレジットカードの番号の適正に管理ができるとは思えません。私は絶対にこの会社でウォーターサーバーを契約しないので、潜在顧客が1人減りました。

 

二宮金次郎が勉強しながら薪を運んで褒められたは、昔々のこと。通勤するときは、通勤する。仕事するときは仕事をする。休息をとるときは休息をとる。「長時間労働=ブラック企業」のイメージが定着したことはいいことですが、「早く帰れ!」の号令だけかけたら、会社内の大事な情報を危険にさらすことになります。ご存知の通り、情報漏えいは企業の命取りになります。わずかな(かどうかは分かりませんが、適正な)残業代をケチって、企業全体の信用を失墜させたら目も当てられません。その上で、

社名入りの封筒の持ち歩き、携帯電話の管理、USB等の記録媒体の管理、もう一度、社員に「気をつけてね」と声だけかけておきましょうか。

そんなことを考えながら、電車に揺られております。