作業をさせてみるとよくわかる | 小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

労働エッセイストの松井一恵です。小さい会社には小さい会社にしかできない労務管理の方法があります。
丸17年社会保険労務士として生きてきて、みんなに知ってほしいこと、未来に残したいことを書き残そうと思います。

松井、生意気でした。

28歳で女性課長、死ぬほど働きました。帰るのが面倒になり、事務所に寝泊りし、口癖は「なんでできへんの??」、「私が5人居たら、会社は回る」でして、まぁ、アニメで言ったら「北斗の拳」型上司ですかね(笑)

2年の間に部下が100人ぐらい辞めました。中には、税理士科目合格の人、京大卒の人も居ましたが、使い物になりませんでした。(おゆるしください、なんせ北斗の拳のラオウだったもので)「もう、お前が面接せぇ」と社長に言われても、「使い物になるかならないか分からない連中のためになんで私の時間を使わないかんの」と思っていましたので、「給料払うの社長なんですから、社長が決めてください」と逃げ回っていました。ですが、とうとう逃げ切れなくなって、松井考えました。超簡単面接法。

大きさがまちまちの領収書とレシートをひとつかみ、それとクリップをひとつ持ってきて、

「とじてみて」

と指示して様子を見ます。

いろんな人が居ました。

「はぁ?」と言ったまま、止まる人。

支払い日付の順番に並べる人、紙の大きさの順に並べる人、なんでもいいから重ねる人。

クリップをまんまんなかに留める人。

全員アウトにしました。

ラオウ松井の中での正解は、

  1. 天地(繰った時、全部文字の上下の方向)を合わせる。

  2. 左肩と頭をあわせる

  3. 左肩にクリップ留める

です。

これができた人は、即合格にしました。そして、はずしたことありません。よくできる人ばっかりでした。

書類の天地を合わせるのは、次の作業者が文字を読みやすいように、

左肩あわせ、左肩クリップは、次の作業者が右利きと想定して、入力や記帳がしやすいように、つまり、

次の作業が想像できて、次の人が仕事をしやすいように俯瞰でものを考えられる人なので、全体に対する配慮ができる人なのです。本人が気づいていなくても、こういう人は事務作業のセンスがあります。そう、単純作業にだってセンスって出るんですよ。

そして、センスのある人は、何をさせてもソツがありません。

 

採用面接にお悩みのある社長様方、

「もう、誰取っても辞めていくし・・・」「もう、誰とっても決め手がないし・・・」っていう時、

ぜひ、簡単な作業をさせてみて、様子を観察してみてください。

たいして時間もかかりませんし、本当に一緒に働けるかどうか、結構はっきり分かります。

ラオウ上司だった過去もちょっとは役に立つものです。(今は「ぐでたま」上司ですw)