本能 | 動きの哲学、日常のヒント

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ピラティス、ストレッチ、ヨーガ、武道などの学びと想い。ピラティスの還暦男インストラクターが20年考えたこと

こんにちは。ピラティス&ストレッチインストラクターのyou-suke(ようすけ) です。おじさんです、アラフィフです。

ピラティスを、そんなに好きでもない、と情熱が薄くなってしまう時期も、正直なところ本当はあります。
しかし、ピラティスは、実にすごいよ。と思うこともあります。
ピラティスさん(ピラティス創始者)ほどかっこいいおじさんは、いませんからね。いないということもないですが、やはり稀有な存在です。

 

私はそういう(ピラティスさんはかっこいいなと思っている)おじさんですが、このような記事を読んでいただき、誠にありがとうございます。

ちなみに何度もブログを読んでくださった方も、だんだん私がどんなおじさんか忘れて来ると思いますので、時々、プロフィールを参考までにということでリンクするようにしました。
私、you-sukeというアラフィフのプロフィールはこんなところです。あまりドラマティックな展開があったわけではないので、特に読まなくてもいいです。

さて、ピラティス創始者であるジョセフ・ピラティスさんは第一次大戦の際に、英国滞在中だったことから、ドイツ人であるがゆえに交戦中の敵国民として収容された英国のマン島の収容施設にて、捕虜仲間に対して看護師としてリハビリ訓練などをする中で構築されました。

では、いまもベッドで寝転んで出来るのかというと、出来ます。
リフォーマー、キャデラックなどピラティス用マシン自体が、もともとベッドを改造したようなものでした。




もうだいぶ経ちますが以前、母が肺炎で入院した時には、教えていないのに、サイドベンドに似た形の運動を自分でやっていたので、驚きました。本当に、その時は、けっこう驚きました。

本能的に、側臥位(横転がり姿勢)で、筋力を鍛えようとすると、ピラティスのサイドベンドのようなサイドポジションのエクササイズになるんです。

本能的になります。そういう事がわかりました。わからせられた、と申したほうがいいかもしれません。
出来る範囲の動きをベッドの柵につかまりながらでもやると、ああなるのだな、と。また、少し体力が着いて、きちんと教えたわけではない、テーブルトップポジションでのお腹の筋肉の運動もしていたのです。


ピラティスは人の本能に即しつつ、ピラティスさんがあれこれ考案していった運動です。
あの時におけるサイドベントのような運動は、実は、人にとって元々必要な運動とも考えられますし「立ち上がりたい」「元気になりたい」という思いの強さが込められた動きだと思います。

ピラティスさんがピラティスの基盤を構築したのは収容施設、また、入院した母が元気になりたくて本能的にやっていた動き。

ピラティスには、少なくとも、元気になりたい本能の力を込めたいですね。さりげなくやっている時でも込めたい。

狭いところでも、例えば、いま私は椅子に座っていますが、座っている椅子でも、畳でも、下がふわふわでなければ大丈夫です。運動はできます。ストレッチもできます。
寝転がりながら、どこでも、座ってもできるエクササイズは、少し怠けていてもできますから、続けようとします。怠けても続けられる。これは、転じて言えば、継続のための一つの強みになります。


ピラティスプログラムは、創始者ジョセフ・ピラティスさんが収容施設というある意味シリアスな状況下において、元気でいたい、元気になりたいという捕虜仲間たちの本能要求に、真摯に答えつつも、その本気さには、何か「リラックス」といいますか、肩の力が抜けた、トレーニング器具を工夫して作り出す楽しみも伴うような、そんな、ある意味偶然訪れた特別な環境に積極的に対応して構築した体系であります。

そう考えれば、結構すごいものでしょう。

 

 

 

低体力の人を指導したエクササイズであることを、私自身、今そういう運動だと実感します。限られた条件の中で始まった運動ですから、いつでもどこでもやってこそ、その中で、継続してこそ、ジョセフ・ピラティスさんも喜ぶかな、と考えています。