暑中お見舞い申し上げます。といっても、今日は朝から雨で比較的涼しいようだけど。
去年の夏に見つけた職場近くの「涼み処」としての小さな図書館(台東区立図書館の分室)。その後ずっと、昼の散歩のついでによく立ち寄っている。
本の数は少ないけど、小説はほとんどが寄贈された初版本で、なんか手にしっくりきて、少しの時間だけど立ち読みが楽しい。
その後何日かかったか忘れたけど、「東野圭吾さん」の映画原作本二冊を立ち読み終わった時、たまたまその本棚の上の段にある「原田マハさん」の本に目が行った。同じ「ハ行」の作家だから、近くに置いてあって当然なのだけど。
その本は『暗幕のゲルニカ』。なんと背表紙に「ゲルニカ」の絵の一部が印刷されていて目につきやすい。もっと早く気づいてもよさそうだったが・・・・
ちょっと手抜きだけど、あらすじは、今回は生成AIに依頼した:
原田マハの小説『暗幕のゲルニカ』は、ピカソの名作『ゲルニカ』を巡るミステリアスな物語です。作品の舞台は現代のニューヨーク、9.11テロ以降の混乱の中で始まります。
主人公の八神瑤子(やがみようこ)は、美術史家であり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で働いています。彼女は、「ゲルニカ」を扱う特別展のキュレーターとして任命されます。しかし、展示が近づくにつれ、謎の妨害や不審な出来事が頻発し、次第に「ゲルニカ」を巡る闇の歴史が明らかになっていきます。
物語は、二つの時間軸で進行します。現在のニューヨークを舞台にした瑤子のストーリーと、1937年のスペイン内戦時代のピカソの視点が交錯します。当時、ピカソは反ファシズムの象徴として「ゲルニカ」を描き、その背景には様々な人々のドラマがありました。
現代パートでは、瑤子がテロの脅威や政治的な圧力と戦いながら、「ゲルニカ」を無事に展示するために奔走します。一方で過去パートでは、ピカソが愛人ドラ・マールや友人たちと共に、「ゲルニカ」を完成させる過程が描かれます。
『暗幕のゲルニカ』は、歴史的な美術作品を軸に、現代と過去の人間ドラマが織りなすサスペンスフルな物語です。美術史や歴史に興味がある読者だけでなく、ミステリーやサスペンス好きにも楽しめる一冊です。特に、ピカソの「ゲルニカ」に対する新たな視点や深い洞察が提供されており、美術作品の背後にある人間の物語に触れることができるでしょう。
前にも書いたように、今年の2月末にスペインに行って、バスク地方の「ゲルニカ」の町を訪れた。
ゲルニカは、スペイン内戦中の1937年4月26日、ドイツ空軍による無差別爆撃を受け、これを主題に「パブロ・ピカソ」が『ゲルニカ』を描いた。
ゲルニカ訪問の数日後、その有名な絵を見るために、マドリードの美術館「ソフィア王妃芸術センター」を訪れた。
旅行に行く前に、この小説を読んでおけばよかったなぁ、というのが正直な感想だけど、これはいつものことで、知らずに旅行して帰って来たから読むことで、これだけ小説を楽しめたのだろう。これこそ、まさに「Postsightseeing」の楽しみだ。
原田マハさんという小説家はこれまで知らなかったのだけど、キューレータから小説家になった人で、小学6年生から高校卒業まで岡山市育ちだとか。ほんの少しの接点だけど、嬉しい。
その後、ご本人が講演会で「ゲルニカ」と小説「暗幕のゲルニカ」について語った記事も見つけて、面白く読んだ。10歳のときの1972年夏に、ピカソと運命的に出会ったのが、倉敷の大原美術館のピカソの『鳥籠』だったとか・・・・。
(本の紹介記事としては、やはり、これが一番だと思う。本を読まなくても済むかも。)
長々と書いてしまったが、ピカソとスペインにちょっと近づいた気分になれる「お勧めの小説」というのが僕の結論。