『マシン』、『イクイプメント』、『アパラタス』。

 

はて、ピラティス専用器具を何と呼ぶのか?

 

人によって呼び方が違ったりして、ちょっと紛らわしいのです。


 

私の周りでは、『イクイプメント』か『アパラタス』の二択です。

 

どちらを使っても通じます。

 

 

逆に、『マシン』はまず耳にしません。

 

ただし、使っても意図は通じると思います。

 

 

ピラティス氏の直弟子だったロマーナによると、ピラティス氏はリフォーマーを『アパラタス』と呼んでいたそうです。

 

リフォーマー、キャデラック、チェアー、バレルなど、それぞれの呼称は、厳密には『アパラタス』が正しようですが、『イクイプメント』でも意味の区別なく言い換え可能です。

全体的に総括した名称は『イクイプメント』でも『アパラタス』でもいいでしょう。

 

Reformer/Balanced BodyCadillac/Balanced BodyChair/Balanced Body


 

マジックサークル、ウエイトや、ポール、レジスタンスバンドなどの持ち運び可能ものは、『プロップ』と呼びます。

 

Magic Circle/Balanced BodyHand Weights/Balanced BodyPoles & Dowel/Balanced Body

 

 

「今日は思うように体が動かなかったわ~」ショボーン

 

「頑張ってやっても効果が一週間続かず、すぐまた硬くなるのよ~」ショボーン

 

 

と、いつも明るく、元気はつらつな60代の生徒さんが珍しく弱気な発言。

 

 

でもね、悲観する事はありませんよ。ウインク

 

 

『今日は思うように動けなかった、、、、』は

 

自分の体の声に耳を傾け

 

そのメッセージをちゃんと受け止めた証拠です。グッ

 

何年も定期的に続けていれば、誰にでも調子のいい日もそうでない日もあって普通です。OK

 

 

『一週間効果が続かない、、、、』は

 

体の声が発してるヒントですよ。キラキラ

 

彼女の場合、週一回だけじゃ足りませんって体が教えてくれてますね。

 


さて、一般的に、お勧めするピラティスの頻度は週3回(*)。

 

マットとイクイプメントを組合わせてが理想的と思いますが、両方でもどちらかだけでもOK

 

続けていれば、自分にとって最適な頻度や組み合わせ方が自然に分かってくると思います。

 

大切なのは、数だけにとらわれるのではなく、体の声をしっかり受け止め判断する。

 

そして、無理のない頻度で柔軟に末長くピラティスを続けていきましょう。

 

 

心も体も快調に過ごせますように。ラブラブ

 

 

 

 

(*)10年前の記事、『ピラティスの頻度』もご参考になれば嬉しいです。

 

 

ピラティスをがん緩和ケアに取入れた事例の話

 

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体調が万全でなくても、とりあえずできる範囲で動く。

動くことによって、身体が楽になる。

がん闘病に筋肉は欠かせない。

 

リサが身を持って示してくれた事です。

 

 

いつもスタジオに到着した時はしんどそうでも

フットワークが終わるころには顔色もよくなり

セッションが終わるころには生気が戻り

リサは笑顔で帰っていきました。

 

セッション後のクライエントの笑顔は、インストラクターの原動力です。

リサの場合は特にそうでした。ニコニコ

 

 

ひとり仮住まいで闘病していたリサは

スタジオへ行く事が朝起きる目的なのよ

とよく話してくれました。

 

 

何度となく重篤な状態を経験したリサでしたが

私がここまで生き延びれたのはピラティスのおかげ

とも言っていました。

 

 

突き詰めれば、ピラティスは人が健康で幸せになるための道具です。

 

目的がQOLの向上や維持、延命や緩和ケアであっても同じです。

 

 

もちろん、リサの延命努力はピラティス以外にも多岐にわたりました。

 

リサが懸命に頑張っている姿を見て

心打たれ、目には見えない力を感じ

周りにいる人たちみんなが彼女を応援せずにはいられなくなる。

 

 

インストラクターは「教える側」ではあるのですが

リサにはたくさんの事を教えてもらいました。お願い

 

 

記事のカバー写真は、全てリサが

ニューポートビーチとこの周辺で撮影したものを

使用させてもらいました。カメラ

 

 

リサの実例がお役に立つ事を願いつつ 完了

 

 

 

ピラティスをがん緩和ケアに取入れた事例の話

 

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がんとそれまでの化学療法の影響で

リサの身体は弱ってはいたものの

骨密度とバランスに関してはまったく問題ナシでした。

 

逆に、60代という年齢的な要素も含め

あれだけの化学療法を受けてきて

骨に問題がなかった事の方に良い意味で驚かされました。


 

骨が丈夫でいられたのは、幼少時から活発で

長年色々なスポーツをやっていた事に加え

がんに罹患してからも運動を続けていたからに

違いない!と勝手に納得していました。バレエ

 

 

『骨貯金』のたまもの。🦴

 

 

おかげで、様々な禁忌動作があった中

骨粗鬆症による骨折の心配を排除できたのは

大きなプラスでした。グッ

 

さて、闘病中でも安全にピラティスを

続けていくために外せないのが

免疫機能低下による感染予防対策でした。
 

化学療法の影響で免疫力が低下していた

リサには「たかが風邪」でも命取りになりえました。

 

リサには人一倍の注意と配慮は欠かせませんでした。

 

 

手袋と靴下はリサのセッションに欠かせない

アイテムでした。

 

免疫療法の副作用で皮膚が過敏になったため

基本は、身体を締め付けないゆるめの服装で

露出をできるだけ控えて長袖長ズボン。

 


使用前、イクイップメントを念入りに拭きなおす時もありました。

 

近くで咳やくしゃみをするひとがいれば

静かに離れたエリアへ移動したりもしました。

 

 

清潔でしっかり管理されていてるスタジオでも多くの人が出入りします。

 

でも、注意さえ怠らなければ

闘病中でも感染症にかかることなくピラティスを続けられました。

 

もしその点が不安であれば

単独でセッションを受けられるスタジオを探すこともできます。

 

 

ところで、笑うと免疫力が高まると言います。

 

大笑いするだけでがんやウイルスに対する

免疫力が高まるのであればとの思いから

セッション中、最低一回はリサを笑わすのが

私の隠れた目標でもありました。

 

Cal Bears Laughing

 

・・・・やりすぎて後からラエルに注意されたこともありましたが、、、ショボーン

 

 

次回は、⑤おわりに 

 


つづく

 

 

 

ピラティスをがん緩和ケアに取入れた事例の話

 

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リサには、禁忌の動きやポジションがありました。

 

理由は、

右矢印リンパ浮腫

右矢印末端神経障害

右矢印腹部の腫瘤

 

 

リンパ浮腫は

乳がん切除手術の後遺症によるものでした。

 

アームワークに関して禁忌動作がありましたが

動かすごとでリンパの流れが改善されるので

筋力より可動性の向上に重点を置きました。
 

例えば、

 

四つ這い位(キャットストレッチやプランク)など

腕に自重がかかる動きは全て除外。

 

でも、イクイップメントを使うことで

キャットストレッチやプランクだけでなく

アップストレッチや、なんちゃってプッシュアップ

などもすることができました。
 

そして、サイドオーバーやマーメイドなどの

わきや側面を伸ばす動きは必須でした。

 

 

 

末端神経障害は

抗がん剤の副作用による後遺症でした。

片足に軽度の麻痺がありました。
 

特につま先の感覚があまりなかったので

フットバーを感じることが難しかったです。

 

フットワークは下半身の筋力維持だけなく

こわばった筋肉や関節をゆるめ

効率のよい血行促進運動にもなります。

 

毎回、キャフレイズやプランシスなど

つま先立ちのポジションで足を動かすことで

皮膚感覚も戻り歩きやすくなったそうです。

フットワーク中は、ジャンピングも含めて

万が一足が滑ってもケガのないよう

必ずリサの足元に私の手を添えていました。

 

 

腹部の腫瘤は

乳がんからの移転でした。

 

腹部を圧迫されるのを避けるため

伏臥位の動きはすべて除外しました。

 

このため、リサにはバックエクステンションを

座位または立位でできる形に変えました。

 

 

臨機応変に動きを適応できるピラティスだからこそ

これらが可能でした。OK

 

 

次回は、④骨粗鬆症と感染症対策について

 

 

つづく