
49から88まで
生演奏用のキーボードの鍵盤数です。数十年前は少ない鍵盤数のシンセサイザーも結構ありましたが、現在は49鍵から88鍵までが標準的な数です。
49はエレクトーンの上下各段の鍵盤数で88はピアノの鍵盤数です。
88鍵
ダイナミックなピアノ演奏がウリのバンドならば88鍵は譲れないでしょう。しかし、ポピュラーソング系で端から端まで鍵盤を使うことは稀です。
しかも音程が動かせないピアノとは異なり、キーボードはオクターブが可変です。必要な音が出せるように、または弾きやすい位置に音程を上げ下げできます。
キーボードの重さはキーの重さです。ライト<セミウェイト<ヘビー、49<61<73<88となります。88鍵はほぼピアノタッチ=ヘビーの機種ですから重く長大となると運搬設置が大変です。背負えません。私の持ち歩いている2台は73セミウェイト+61ライトで合計15㎏超です。88ヘビーの重量は軽量の部類でも1台でほぼこれくらい。長さはさらに長いです。それでも鍵盤タッチを我慢してストレスをためながら弾きたくない人には88ヘビーが必要です。
以前88ヘビーを持参した人に会いましたが、その人はタクシーに乗ってやってきました。ということで車には積めます。
49鍵
1台では両手弾きを断念する曲が出てきます。例えばベートーベン「エリーゼのために」は鍵盤数が足りません。
2台目のキーボードとしてならば充分使えます。
61か73か
61鍵端から端まで使い切る曲を時々弾きます。Deep Purple「space trackin」ライブ盤のイントロ「2001年宇宙の旅」は61鍵シンセの最低音ドで曲が始まり、パッセージで最高音ド→最低音ドまで一気に駆け下ります。同じDeep Purple「lazy」も最高音から約5オクターブ下まで縦横無尽に走り回ります。
私は鍵盤が足りなくなるんじゃないかと不安に思って73鍵にしたのですが、61鍵でも充分足りることに気がつきました。何故ならば私のやっている音楽の鍵盤奏者はほぼハモンドオルガンを使うからです。ハモンドの基本鍵盤数は上下段ともに61。楽器の構造と彼らの習慣が音域を決めているのです。
Rainbow「バビロンの城門」も61鍵をスプリット(鍵盤面分割)してほぼ使い切っていますが、ちゃんと足りています。
73鍵あったほうが自然に弾けるのは元々61鍵ではないピアノ曲やクラビネットの曲です。左右の手をオルガン音色で上段のみで弾いてみます。左手が低音過ぎて音がこもり、どうもなあという曲も、ピアノやクラビネットの音で弾くと明瞭に聴こえて違和感がありません。楽器の特性ですね。