保育者と父母を結ぶ雑誌
ちいさいなかま
お読みになったことはありますか?
ちいさいなかま 8月号
ちいさいなかま社 税込¥440.
その8月号の特集☆子どもと平和☆の中で
長崎の保育園からのこんな投稿を見付けました。
昨年の5歳児クラスでは
子どもたちが「へいわ」についての絵本を
それそれ選んで、
発表し合う取り組みをしました
長崎という歴史的背景もあり、
おそらくは保育の中でも日ごろから、
平和について触れられれていて、
また、子どもたちの身近には
それに関する絵本も置かれていることでしょう。
平和について考えるそれらの絵本から、
また、日常の暮らしや体験、
空想世界を描いた身近な作品の中からも、
5歳の子どもたちが
<へいわ>
を探したであろう様を、
短い記事から思い浮かべています。
どんな本のどんな場面に平和を感じたのか
どんな言葉で語ったのか
興味が尽きません。
素晴らしい保育実践だと思います。
ピコットでは、1年を通して
こんなミニ・コーナーを用意しています。
けれども、こういったテーマの絵本は、
公的な場ではよく読まれるのですが、
実をいうと、ご家庭に届きにくいのです。
それはそうですよね。
絵本を買う時に
どれか一冊選んでいいよ!と言われたら、
子どもたちは楽しい絵本を選びます。
そこで、じゃあ、お母さんも1冊・・・と
選んでくださる事がなければ、
残念ながらこのコーナーの絵本が
ご家庭で読まれる機会は無いのです。
<大人の方のもう一冊>で、
ご家庭の読書の幅を広げてほしいというのが、
本屋のひそかな願いです。
ですが、一方で、
<反戦>と掲げられていない絵本にも、
ご家庭で深めて頂ける作品はいろいろあります。
例えば・・・
サルビルサ
スズキコージ 架空社 本体¥1,500.
この絵本は、
二つの国の戦士がひとつの獲物を巡って
争うお話で、独特の作風です。
この作者にして、この作品あり!と言えますね。
文章は日本語ではなく、他国の言語でもなく
あえて言えば、サルビルサ語で
お話の中の王と戦士は叫んでいます。
このサルビルサ語が面白く、
知らない言葉だけど雰囲気は伝わるようで、
聞き手の子どもたちは
サルビルサ語に大いに盛り上がります。
けれど戦士はみな倒れてだれもいなくなり
最後の場面では、
獲物だけがポツンと落ちています。
言葉では語られていませんが、
戦いの愚かさ空しさが伝わってきます。
これとは正反対の作品を挙げるとするなら、
ぐりとぐらですね。
日本で育った子はみんな親しむ絵本です。
大きなたまごと、
焼きあがったホットケーキが印象的なこのお話。
ただただ、楽しんで頂きたい絵本ですけれど、
分け合って食べるとおいしいね~
という絵本体験があることを改めて感じます。
ぐりとぐら
なかがわりえことおおむらゆりこ
福音館/本体¥1,000.
どちらも、
小さい人たちの身近にあってほしい絵本
だと思っています。
絵本は、読み終わった後、
何かを説明するものではありませんが、
読み手の声の調子から、聞き手は、
何らかのメッセージを受け取ることでしょう。
絵本体験と読み手の思いが、
小さい人たちの中に積もっていくといいですね。
応援よろしく!
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