絵本で平和を考える | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

保育者と父母を結ぶ雑誌

  ちいさいなかま

お読みになったことはありますか?

 

 

 

ちいさいなかま 8月号

ちいさいなかま社 税込¥440.

 



その8月号の特集☆子どもと平和☆の中で
長崎の保育園からのこんな投稿を見付けました。

昨年の5歳児クラスでは
子どもたちが「へいわ」についての絵本を
それそれ選んで、
発表し合う取り組みをしました


長崎という歴史的背景もあり、
おそらくは保育の中でも日ごろから、

平和について触れられれていて、
また、子どもたちの身近には
それに関する絵本も置かれていることでしょう。
平和について考えるそれらの絵本から、
また、日常の暮らしや体験、
空想世界を描いた身近な作品の中からも、
5歳の子どもたちが

<へいわ>

を探したであろう様を、

短い記事から思い浮かべています。
どんな本のどんな場面に平和を感じたのか
どんな言葉で語ったのか
興味が尽きません。

素晴らしい保育実践だと思います。

 



ピコットでは、1年を通して
こんなミニ・コーナーを用意しています。

 

 



 

 

けれども、こういったテーマの絵本は、
公的な場ではよく読まれるのですが、
実をいうと、ご家庭に届きにくいのです。
それはそうですよね。

絵本を買う時に
どれか一冊選んでいいよ!と言われたら、

ニコニコハイハイほんわか
子どもたちは楽しい絵本を選びます。


そこで、じゃあ、お母さんも1冊・・・と
選んでくださる事がなければ、
残念ながらこのコーナーの絵本が
ご家庭で読まれる機会は無いのです。

<大人の方のもう一冊>で、
ご家庭の読書の幅を広げてほしいというのが、
本屋の
ひそかな願いです。

ですが、一方で、
<反戦>と掲げられていない絵本にも、
ご家庭で深めて頂ける作品はいろいろあります。

例えば・・・



 

サルビルサ

 

スズキコージ 架空社 本体¥1,500.

 

 

この絵本は、
二つの国の戦士がひとつの獲物を巡って
争うお話で、独特の作風です。

この作者にして、この作品あり!と言えますね。
文章は日本語ではなく、他国の言語でもなく
あえて言えば、サルビルサ語で
お話の中の王と戦士は叫んでいます。


このサルビルサ語が面白く、

知らない言葉だけど雰囲気は伝わるようで、
聞き手の子どもたちは

サルビルサ語に大いに盛り上がります。


けれど戦士はみな倒れてだれもいなくなり
最後の場面では、

獲物だけがポツンと落ちています。
言葉では語られていませんが、
戦いの愚かさ空しさが伝わってきます。
 

これとは正反対の作品を挙げるとするなら、

ぐりとぐらですね。

日本で育った子はみんな親しむ絵本です。

大きなたまごと、

焼きあがったホットケーキが印象的なこのお話。

ただただ、楽しんで頂きたい絵本ですけれど、

分け合って食べるとおいしいね~

という絵本体験があることを改めて感じます
 

 

 

 

ぐりとぐら

 

なかがわりえこおおむらゆりこ

福音館/本体¥1,000.


 

 

どちらも、

小さい人たちの身近にあってほしい絵本

だと思っています。


絵本は、読み終わった後、

何かを説明するものではありませんが、

読み手の声の調子から、聞き手は、

何らかのメッセージを受け取ることでしょう。

絵本体験と読み手の思いが、

小さい人たちの中に積もっていくといいですね。

 

 

 

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