子どもの人権 わかっているつもりだけど  | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

3月号の母の友。
特集は「守れているかな 子どもの人権」
でした。

 

 

 


母の友 2023年3月号

福音館/税込¥580.

 

 

 
 
子どもの人権の4つの原則です。
カギ 差別の禁止
カギ 子どもの最善の利益
カギ 生命・生存及び発達に対する権利
カギ 子どもの意見の尊重

これ、わかっているつもりです。
わかっているつもりですよ…。
う~ん、…しかしながら、
自分の言葉でうまく語れなかったり
行動できない時があるのは
本当の理解に至っていないからでしょうか。
4番目の<子どもの意見の尊重>について
書いてみたいと思います。


ピコットにお買い物に来られるお子さんは、
実際、恵まれたお子さんだと思います。
けれども、そんな親子さんのやり取りにも、
あれ?なんか、違う、
と感じることも、時にあるのです。

母の友を読んだからには、
勇気を出して

そのことを、さあ、書きますよ。
耳が痛い~とか言わないで、

本屋、口出し過ぎとか言わないで、
とりあえず、読んでくださいね。

たとえば、こんな場面をご想像ください。


大人の方に伴われて来店されたお子さん。
ほんわか わーいっぱいある!
お父さんお母さん さあ、どれにする?

そこで本棚をぐるっと巡って
自分にぴったりの本を見つけたようです。

 

ほんわか これにする!

この時、

 

お父さん いい本見つけたね
お母さん 良かったね

と言ってもらえることが
「意見を尊重」され「自己決定権を行使」
出来たということだと思います。

でも・・・

実は、そうではないケースも

たまにはあるのですね。

残念だな~と感じるのが、こんなお返事。

凝視 よく似た本を持っているでしょう?
凝視 これは、もっと小さい子が読む本だよ。
凝視 字が小さいから自分じゃ読めないでしょう。


ひょっとしたら、お子さんは本当に、
相応しい本を選べていないのかもしれません。
だから、お子さんためを思っての言葉だと、
その気持ちもわかります。

でも、と本屋は思うのです。
入り口で、どれがいい?
ってお子さんに言われましたよね。

もしお子さんに相応しい本を
大人の方が選んであげたいと思われたら、
お店に入る時にお子さんに、
本を選ぶから、ちょっと待っていてね。
と言うのが良かったのではないかと。

お馴染みさんとは、このテーマでよく話すんです。

真顔 え!どれにする?ってさっき聞こえたよ。
とか遠慮なく言う、口出し本屋。

お母さん そーだよね~、言ったけど~
お父さん 言ったけど、

本当にいつも同じような本になるから。
と、お馴染みさん。

で、本屋、さらに援護射撃。

真顔 だって、お母さんだって、
よく似たデザインの服いくつも買うでしょ?

こんなことを遠慮なくおしゃべりし、
どーしたらいい?
というお客様の悩みを一緒に考えられるのは、
なかなか幸せな仕事かもしれません。

でも、こんなわたしでも、
これを初めてのお客様には言えません。

そんな時、
自分で決めたい人ほんわか
お金を払う人お母さんお父さんの間で
本屋は悩むのです。

確かに、

どの子もが自分にふさわしい本を

選べるわけではありません。
だから、大人が手を貸すこともあり、
本屋もそのお手伝いを楽しみにしています。

でも、どれがいい?
と選択権を渡したときには、

「母の友」のこの記事を思い出して、

いい本見つけて良かったね!と

まず言ってほしいのです。


わたしも、このテーマの理解をもっと深めて、
小さ
いお客様を応援できるように頑張ります。

 

 

 

 

 

ねえ、どれがいい??

ジョン・バ-ニンガム文・絵 /松川真弓訳

評論社/本体¥1、500.

 

まるまる一冊分、

どれがいい?という問い掛けの絵本です。

選ぶのに困るくらい嬉しいことも、

こんなの選べないよっていう悲惨な状況も。

勿論答えはありません。

選んで決めることができるようになるのには、

体験の積み重ねも必要です。

 

 

応援よろしく!


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