外箱は、無い | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

こんな事に興味を持たれる方はいないだろうと
下書きに入れたままでいた原稿ですが、
書籍の流通の舞台裏のこと、
やっぱりご紹介してみようと思います。

当たり前ですが、書籍は出版社→取次(問屋)
と送られて書店に到着します。

外箱と言えるものはありません。

カバーさえないものもあります。

直接ダンボールに入れられ、こんな状態。

めっきらもっきらは、はだかんぼです・・・。

 

 

 

<しりとりうたとおまじない>は2冊セットなのでケース

<めっきらもっきらどおんどん>はカバー無しの商品。

(いずれも福音館) 

 

 

 

改めてお伝えしますが、

書籍に個々の外箱というものはなく、

み~んな一緒にダンボール箱でやってきます。

 

ちなみに、チョコレートの場合

①紙にくるまれ②箱に入れられ

③外にはセロファン。

で、ズラリとダンボールに入っているのを

スーパーでよく見ますが、

書籍から見たらば、何て手厚い!

 

 

 

 


型押しの凝った装丁の素敵な新刊も、

やっぱりカバー無しで外箱無し。

 

 

きょうのコロンペク

ーコロンぺクの1しゅうかんー

クリハラタカシ/福音館/本体¥1,300.

 

 

 

例外は仕掛け絵本で、

箱ではありませんが

透明ビニールが掛かっていることが多いです。

仕掛けを守るためのシーリングと思われます。

 

 

へんがおたいそう

鈴木のりたけ おくむらけんいち

NHK出版/本体¥1800

 

 

ちなみに、出版社としては

書籍にかけられているカバーは、

「外箱・パッケージ」の役割という

認識のようです。


反対に、本好きのお客様は
カバーも書籍と一体のものとして
価値を感じていらっしゃるはずです。

結果、カバーの破れが

クレームになってしまうこともあります。アセアセ



さて、この状態で出版社を出た書籍は

取次から書店へと、はだかの背表紙に

直接貼られた宛先シールを読まれながら、

送られてきます。

・・・・・

 


想像するに、

箱から箱へ移され、コンベアーに乗り
又箱に詰められ、トラックに揺られ、

幾多の苦難を乗り越えて本たちはやって来るのです。

おつかれ~



考えてみると、
袋にも箱に入らず流通する商品というのは

そうは無いですよね。

ちょっと思だしてみますと、そうそう、
園芸用の土の袋とか・・・?


書籍の流通というのは、ある意味、

省資源!
けど、もし途中で破損したら、
資源の無駄使いになってしまいます。ハッ

このようにして入荷してくる事を思うと、
汚れや傷みなく届いてくれるのは、
ある意味奇跡です。

なので、もし、
1冊ごとに外箱に入れることになったら、
本屋としては助かりますけれど、
そうなった場合残念ながら、

単価はうんと上がるでしょうね~。
 

この問題、

一介の本屋に発言権はありませんが、

書籍はこれからも、

この流通形態が受け入れられていくのだろうか

と、ふと思ってしまいます。

 

知識が、紙の本ではなく

データでやり取りされる時代に入り、

書籍の価値観もどんどん変わっていきます。

 

文学や知識は印刷物が当たり前
という時代は終わり、
これからは


星 データで手軽に知識を手に入れる、
星 書籍という形あるもので楽しむ


と二極化していくのではないでしょうか。

書籍に、単なるデータ以上の特別感が

今よりもっと求められるようになっても、

やっぱり

書籍ははだかんぼで流通するのかしら。

と、書店業務そっちのけで、

何の足しにもならないことを

ぐるぐるうずまき夢想している本屋です。

 

ちなみに、わたしが本屋を始めた頃は、

書籍は荷紐でくくられて届いてましたよ。

ダンボールすらありませんでした。

ニコニコ笑

 

 

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