こんな事に興味を持たれる方はいないだろうと
下書きに入れたままでいた原稿ですが、
書籍の流通の舞台裏のこと、
やっぱりご紹介してみようと思います。
当たり前ですが、書籍は出版社→取次(問屋)
と送られて書店に到着します。
外箱と言えるものはありません。
カバーさえないものもあります。
直接ダンボールに入れられ、こんな状態。
めっきらもっきらは、はだかんぼです・・・。笑
<しりとりうたとおまじない>は2冊セットなのでケース
<めっきらもっきらどおんどん>はカバー無しの商品。
(いずれも福音館)
改めてお伝えしますが、
書籍に個々の外箱というものはなく、
み~んな一緒にダンボール箱でやってきます。
ちなみに、チョコレートの場合
①紙にくるまれ②箱に入れられ
③外にはセロファン。
で、ズラリとダンボールに入っているのを
スーパーでよく見ますが、
書籍から見たらば、何て手厚い!
型押しの凝った装丁の素敵な新刊も、
やっぱりカバー無しで外箱無し。
きょうのコロンペク
ーコロンぺクの1しゅうかんー
クリハラタカシ/福音館/本体¥1,300.
例外は仕掛け絵本で、
箱ではありませんが
透明ビニールが掛かっていることが多いです。
仕掛けを守るためのシーリングと思われます。
へんがおたいそう
鈴木のりたけ おくむらけんいち
NHK出版/本体¥1800
ちなみに、出版社としては
書籍にかけられているカバーは、
「外箱・パッケージ」の役割という
認識のようです。
反対に、本好きのお客様は
カバーも書籍と一体のものとして
価値を感じていらっしゃるはずです。
結果、カバーの破れが
クレームになってしまうこともあります。
さて、この状態で出版社を出た書籍は
取次から書店へと、はだかの背表紙に
直接貼られた宛先シールを読まれながら、
送られてきます。
・・・・・
想像するに、
箱から箱へ移され、コンベアーに乗り
又箱に詰められ、トラックに揺られ、
幾多の苦難を乗り越えて本たちはやって来るのです。
おつかれ~
考えてみると、
袋にも箱に入らず流通する商品というのは
そうは無いですよね。
ちょっと思だしてみますと、そうそう、
園芸用の土の袋とか・・・?
書籍の流通というのは、ある意味、
省資源
けど、もし途中で破損したら、
資源の無駄使いになってしまいます。
このようにして入荷してくる事を思うと、
汚れや傷みなく届いてくれるのは、
ある意味奇跡です。
なので、もし、
1冊ごとに外箱に入れることになったら、
本屋としては助かりますけれど、
そうなった場合残念ながら、
単価はうんと上がるでしょうね~。
この問題、
一介の本屋に発言権はありませんが、
書籍はこれからも、
この流通形態が受け入れられていくのだろうか
と、ふと思ってしまいます。
知識が、紙の本ではなく
データでやり取りされる時代に入り、
書籍の価値観もどんどん変わっていきます。
文学や知識は印刷物が当たり前
という時代は終わり、これからは
データで手軽に知識を手に入れる、
書籍という形あるもので楽しむ
と二極化していくのではないでしょうか。
書籍に、単なるデータ以上の特別感が
今よりもっと求められるようになっても、
やっぱり
書籍ははだかんぼで流通するのかしら。
と、書店業務そっちのけで、
何の足しにもならないことを
ぐるぐる夢想している本屋です。
ちなみに、わたしが本屋を始めた頃は、
書籍は荷紐でくくられて届いてましたよ。
ダンボールすらありませんでした。
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