新刊の並ぶまで ・・・ ピコットの場合 | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!


新刊書籍の発売日を待って、 
当日に書店へいかれることはありますか?
 
すると、店頭の一番目立つところに、 
目指す本がドーンと棒積みになっていて、 
・・・というのを期待されるでしょうけど、
実は、残念ながらピコットでは 
そういう事はないのです。 
ダウン
 
というのも、内容を知らない作品を、 
見計らい発注して
積んで、
どんどんお奨めするのに躊躇があるからです。

 
さらに、

資本力でどっさり仕入れて、

積み上げて、 
売れなかったら返品・・・というやり方が、 
出版流通を疲弊させている原因の一端

と考えるのもその理由です。 
 
返品率努力目標50%以内 と 

通達があった時は、 その数字に驚きました。

出版物の半分以上が、

売れずに3ヶ月で戻される事の経済的損失・・・ 
勿論当店は資本力は無いので、
あせる
やりたくたってやれないのですけどね。 
ちなみに、うちの返品率は5~10%です。 
 

ですが資本力云々は別として、 

新刊の仕入れにはこの零細書店店主、

こだわりを持っています。流れ星
自信を持ってうちのお客様にお奨めできると 
確信できなければ仕入れ出来ない、

というこだわりです。 

なので、

各社からのご案内を参考に発注するのは 
大抵1~3冊です。 
そして届いた新刊を手にして、 
これはお奨めできると判断した時、 
ここでようやく、まとめての発注をします。 

 

ピコット新刊少ない

ピコット新刊遅いと思われる方があったら、

これが理由です、すみませ~ん。
 
ただしこの新刊の評価は、 
決して、店主個人の

好き嫌で決めるものではありません。 
お客様に求められた時、 

お奨めできる内容が基準です。 
 

でも実は、たまにですが、
わたしはこれが好き・・・という作品を 
こっそり混ぜ込むことは、あるんです。 

あくまで、こっそりとですけどね~。 

(^_^)(^o^)(^_^)
 
昨日の荷物に入って来たこれ↓↓↓も、 

その、こっそり用。
新刊をみて、急ぎ追加注文したものです。 

 

 

お月さんのシャーベット

ペク・ヒナ 作 / 長谷川義史 訳

ブロンズ新社  本体¥1,400

 

あつくて寝苦しいある夜、

お月さんが暑さに溶けて滴り落ち始めました。

それに気付いた団地のおばあさん、

いそいで月の雫をたらいに受けて、

冷凍して、シャーベットに!

でも、

月のうさぎが住むところをなくしたのを知り、

さて、おばあさんはどうしたのでしょう?

 

少し前の韓国か、

または作者の空想世界が舞台だと思いますが、

日本の夏に起こった事だよと言われても

そうだね!と思える話です。

長谷川さんの関西訛りの訳も、絶妙です。

 


 
しばらく前に彗星のように現れた 
(ように感じた) 
韓国のペク・ヒナさんの作品です。 


初めて目にしたのは天女銭湯でした。
造形物を絵本画面に入れ込む
独特の手法がすごいコンパクト。


あめだま おかしなおきゃくさま 

と出版されて

お客さんの間でも話題になりました。
2020年にはリンドグレーン賞を受賞され、
今勢いのある作家さんです。

 

今回の作品はデコパージュですが、
これ、とても好きです。
天女銭湯あめだまも衝撃の作風でしたが、
わたしには今回の作品がしっくりきました。


で、
これがわたしの個人的な好みなのか、
はたまた、うちのお客様の心を揺さぶるものか、
今後、検証していこうと企んでいます。


ピコットでこの絵本を

新刊ですよと手渡されたら、
検証の対象とされたか・・・
と気付かれるかもしれませんね。

 

ペグ・ヒナさんの写真を拝見したのですが、
丸メガネのお顔が
日本の誇る児童文学作家角野栄子さんに

とても似ていらっしゃる気がします。
気のせいでしょうか?

 

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