好きな本が手もとにあるということ | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

 

うちのお客様共通の悩みは、収納問題。

気に入って購入したたくさんの本が家中にあふれて、

幸せだけど困ってる。

 

書庫を作るためにおうちを建て替えた。 かお

隣り合うマンションが空いた時、蔵書用に購入した。 ビックリ猫

 

↑ という、羨ましい方もいらっしゃいましたし、

 

もはや書架に収納は不可能なので、床に棒積み積み上げだよ、

というダイナミックな方法もお聞きしたことがありますが、

 

どれも一般的とは言えませんよね~。

 

収納問題に悩まず、かつ読書を楽しむために、

本は借りて読むと決めているご家庭もあるかと思います。

 

それも手です。

 

ただ、

小さい人たちと本の出会いの場で仕事をしていて思うのは、

子どもたちにとって、本は単なる情報源ではないということです。

 

前の回でも書きましたが、

小さい人たちの読書は、繰り返し読むのが特徴的です。

別の見方をすれば、

何度読んでも気づきや感動のある本こそが、

完成度の高い作品ということでしょう。

 

一つのお話を繰り返し読む中で、

小さい読者はお話の主人公に共感し、

主人公になり切ったり、主人公と仲良しになったりします。

 

大人の場合、借りた本を返却しても、

必要を感じれば再び借りるなり購入するなりできますね。

でも、子どもたちが仲良しの主人公に自由に会えるかどうかは、

そうと察してくれる大人がいるかどうか・・・によります。

 

本を持っているということは、

おはなしの中にいつでも行けるよ!という約束です。

持っているということは、お話の主人公と出会う手立てがあるということです。

本は、そのお話の中に行くための専用タイムカプセルなんです。

 

ずいぶん前のお話ですが、

お子さんが大学生になられて、もういいだろうと、

お知り合いに蔵書を譲られた方がありました。

すると、大学生の息子さんが、

 

 父・一成 エルマーのぼうけんは僕の本なので返してください。

 

と、先方に引取りに行っちゃった!というお話を聞きました。笑

 

大学生、今度いつ読むかわからない。

けど本があれば、いつでもエルマーに会いに行ける、

ということなんですよね。

愛読書があるって幸せなことです。

 

 

 

 

エルマーのぼうけん贈り物セット

ル-ス・スタイルス・ガネット作 ル-ス・クリスマン・ガネット絵

渡辺茂男訳 福音館 本体¥3,600.

 

 

 

 

だから、本は借りて読む派のご家庭も、

お子さんが大好きになった本は、

手もとに置いてあげていただきたいと思っています。

 

子どもの本を上手に買うコツのひとつは、

有名な本だとか人気の本だという理由で選ばず、

読んでも読んでも好きな本、

つまりは、すでに知っている作品を買うことかもしれません。

 

そういうわけで、

巷で流行っているというだけの理由で本を並べない本屋、ピコットです。女性/

 

 

 

 

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