うちのお客様共通の悩みは、収納問題。
気に入って購入したたくさんの本が家中にあふれて、
幸せだけど困ってる。
書庫を作るためにおうちを建て替えた。
隣り合うマンションが空いた時、蔵書用に購入した。
という、羨ましい方もいらっしゃいましたし、
もはや書架に収納は不可能なので、床に棒積みだよ、
というダイナミックな方法もお聞きしたことがありますが、
どれも一般的とは言えませんよね~。
収納問題に悩まず、かつ読書を楽しむために、
本は借りて読むと決めているご家庭もあるかと思います。
それも手です。
ただ、
小さい人たちと本の出会いの場で仕事をしていて思うのは、
子どもたちにとって、本は単なる情報源ではないということです。
前の回でも書きましたが、
小さい人たちの読書は、繰り返し読むのが特徴的です。
別の見方をすれば、
何度読んでも気づきや感動のある本こそが、
完成度の高い作品ということでしょう。
一つのお話を繰り返し読む中で、
小さい読者はお話の主人公に共感し、
主人公になり切ったり、主人公と仲良しになったりします。
大人の場合、借りた本を返却しても、
必要を感じれば再び借りるなり購入するなりできますね。
でも、子どもたちが仲良しの主人公に自由に会えるかどうかは、
そうと察してくれる大人がいるかどうか・・・によります。
本を持っているということは、
おはなしの中にいつでも行けるよ!という約束です。
持っているということは、お話の主人公と出会う手立てがあるということです。
本は、そのお話の中に行くための専用タイムカプセルなんです。
ずいぶん前のお話ですが、
お子さんが大学生になられて、もういいだろうと、
お知り合いに蔵書を譲られた方がありました。
すると、大学生の息子さんが、
エルマーのぼうけんは僕の本なので返してください。
と、先方に引取りに行っちゃった!というお話を聞きました。
大学生、今度いつ読むかわからない。
けど本があれば、いつでもエルマーに会いに行ける、
ということなんですよね。
愛読書があるって幸せなことです。
エルマーのぼうけん贈り物セット
ル-ス・スタイルス・ガネット作 ル-ス・クリスマン・ガネット絵
渡辺茂男訳 福音館 本体¥3,600.
だから、本は借りて読む派のご家庭も、
お子さんが大好きになった本は、
手もとに置いてあげていただきたいと思っています。
子どもの本を上手に買うコツのひとつは、
有名な本だとか人気の本だという理由で選ばず、
読んでも読んでも好きな本、
つまりは、すでに知っている作品を買うことかもしれません。
そういうわけで、
巷で流行っているというだけの理由で本を並べない本屋、ピコットです。/
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