Canopus(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え?カフェレストラン?」

 

南は思わず聞き返した。

 

「うん。ノースキャピタル赤坂に隣接する土地買うことになってね。 もともと二軒ほどの小さな飲食店あった所、もう工事は進んでるんだけど、カフェレストランにしようってことになって。」

 

NCの会議から戻った真太郎は社長室の椅子に腰かけた。

 

「今はカフェブームで。近辺にもたくさんあるし。厳しいんちゃう?」

 

南は冷静にそう言った。

 

「うん。だから。きちんとコンセプト立ててやろうってことになって。ブームとかインスタ映えするものとか、そういうんじゃなくてね。ホッとできるのんびりとした場所になれるような。

ホテルの中庭とつなげてね、庭園がガラス越しに見えるように。四季の木々がきれいだから。ホテルに泊まらなくても雰囲気を味わえるように。」

 

そう言われて南は小さく頷いた。

 

「確かに。NC赤坂のあの庭は素晴らしいもんね。外国人のお客さんにもめちゃ評判いいし。」

 

「具体的なことは紗枝さんに任せてる。責任者は彼女なんで。」

 

「紗枝ちゃんなら色んな案出してくれそう・・。」

 

「あとはプロデュースにかかる人を外部の人に頼もうと思ってる。」

 

するとハッと思い立った南が立ち上がった。

 

「そういえば。 真緒ちゃんパリにいた時カフェめぐりが趣味やったって言ってた。休みの日はけっこう遠くまで外務省の奥さん方と行ってたって。」

 

「真緒?」

 

妹の名前が出て真太郎はやや怪訝な顔をした。

 

「『パリカフェ』ってブログもやってたって。前に見たことあるんやけどほんま色んなとこ行ってんのよ。今もカフェめぐりしててインスタにも上げてる。」

 

南は自分のスマホのアプリを開いて真太郎に見せた。

 

食べ物の写真だけではなく、小物やテーブルや椅子、店の雰囲気も小まめに写真に撮って載せている。

 

「真緒ちゃんにも協力してもらったら?」

 

「うーーん・・」

 

「真太郎はもともと真緒ちゃんがホクトで仕事することあんまり賛成してなかったけど。事業部でも今はちゃんとやれてるし。ただ。翻訳とかの仕事はしててもまだまだ彼女の能力生かされてない感じもあるんだよね。今も『バイト』やし。」

 

真緒がホクトで仕事をしはじめてからもう何年経ったか。

 

特に自分のやりたいこともなく今の状況で満足してしまっている感じもした。

 

 

 

 

「あら真太郎、おかえりなさい。 どうしたのこっちに真っ先に来るなんて珍しい・・」

 

帰宅した真太郎は自宅より前に1階の両親の所に寄った。

 

「これ。今日想宝の会長にお会いしたから。これを北都会長ご夫妻にって。」

 

大きな箱をテーブルに置いた。

 

「え~? なに~?」

 

母が嬉しそうに覗き込む。

 

「ラフランスだって。 最高級の。取り寄せてくれたらしいよ。すごく美味しいからって。知り合いの農園で作ってるらしい。」

 

「わー 私も真也さんも大好き! 三枝さんにお礼のお電話しておかなくちゃ。いつも頂き物ばかりで、」

 

「・・お父さんは?」

 

部屋を見回した。

 

そこに真緒に車いすを押されて父もやって来た。

 

「あ! ラフランス! 美味しそう。 お父さん好きよね。 さっそく剥こうか?」

 

真緒はすぐに飛びついた。

 

父の身体が不自由になってから真緒が父につきそって散歩や買い物をすることが多くなった。

 

母に頼まれたわけでもなく

 

何となく自然に。

 

 

さて。

 

久しぶりに始まりました。

 

今回のテーマは『星』、です。

 

北都家の末娘・真緒が不思議な運命に導かれてゆきます。

 

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