Root(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

契約を交わしたあと

 

「ハイ。 じゃあ・・。 書類はお預かりします。 今のところ帳簿なんかもきちんとされていますし、問題ないと思いますので。」

 

まひるはトントンと書類をそろえてクリアファイルにしまった。

 

「本当は両親もご挨拶に伺いたいって言ってたんですけど。 兄が嫌がったので。 担当が今日は都合が悪くて来られないのですが、その前に私がご挨拶に参りました。よろしくお願いします。」

 

「・・こちらこそ、」

 

さくらは一緒に頭を下げた。

 

「親が職場に来るって。 こんなに恥ずかしい話があってたまるか。 しかも! もう37だっちゅーのに!」

 

成は顔をしかめた。

 

「まあまあ。 でもこれで安心。一応会社としてちゃんとしないとだし、あたしも経理のことはあんまり詳しくないから。 秋になったら産休もしなくちゃいけないし、ナルとさよちゃんに迷惑かけないように、」

 

さくらが言うと

 

「産休・・?」

 

まひるはきょとんとした顔をした。

 

「あ。 社長。 秋に子供生まれるから。 おれと同い年で、『高齢出産』だからさ。 ちゃんと産休も取ってもらわないと、」

 

成はまひるに説明した。

 

「高齢は余計よ。」

 

さくらは彼を小突いた。

 

「あ・・ご結婚されてるんですか・・。 指輪とかしてらっしゃらなかったので、」

 

「教える方ですが、一応ピアノを弾いたりもするので。 指輪してると気になるタチなので、」

 

「はーー。 そうなんだ・・」

 

まひるは頷いた。

 

そしてチラっと成を見やった。

 

「なんだよ、」

 

「や。 別に。 じゃあ、今日はこれで。 またお借りした書類はお返しにあがります。」

 

立ち上がってさくらに一礼した。

 

さくらもお辞儀をした。

 

玄関までやって来た成に

 

「・・で。 日曜は来れそうなの? 返事がないってお父さん怒っていたわよ、」

 

靴を履きながらまひるは言った。

 

「それさあ。 絶対行かなきゃダメ?」

 

「ダメじゃない? おじさまがナルがいないと話にならないって言って、お父さんがせっつかれてるみたいよ。 じゃ、」

 

まひるは靴べらを彼に押し付けるようにして出て行った。

 

はあああああ

 

ものすごい大きなため息をついてしまった。

 

「ため息が声になってるわよ、」

 

さくらが声をかけた。

 

「え? 声出てた? あーあ、もう憂鬱すぎて。」

 

成はキッチンに行ってミネラルウォーターを取り出して一口飲んだ。

 

「妹さん、かわいい人だね。 いくつ?」

 

「え~? いくつだっけ? おれより・・6個下だから。 31? そんくらい。」

 

「あの妹とは血が繋がってないんだね、」

 

「ま。 お互いの連れ子だからね。 で。 今ハタチの大学生の妹は今のオフクロとオヤジの娘になるんだけど。」

 

ドカっと椅子に座って伸びをした。

 

突然セリシールに現れた成の血のつながらない妹・まひる。 ここから全ては始まります・・

 

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