あけましておめでとうございます。
本年もMy sweet home～恋のカタチ。をよろしくお願いいたします。
お話は奏の北都フィルの舞台デビューから1か月前ほどにさかのぼります・・
セリシールの『番頭』小野塚成の物語です。
「はじめまして。 神崎税理士事務所の神崎です。 いつも兄がお世話になっております、」
にこやかに名刺を手渡す女性。
それを受け取ったさくらは軽いパニックになっていた。
その名刺を受け取ってジッと見つめてしまった。
神崎税理士事務所
税理士 神崎まひる
そしてハッとして
「あっと。 すみません。 わたくし、社長の篠宮さくらと申します・・」
慌てて自分の名刺を差し出した。
「ほんと。 兄が言ってたとおり。キレイな方で、」
「や・・そんな、」
さくらは顔を引きつらせながらまだ名刺をジッと見てしまった。
その様子に気づいた彼女は
「あ。 ひょっとして。 兄、『名前』が違う理由。 話してませんでしたか？」
先回りしてそう言った。
「え・・あーっと、」
何と答えていいかわからず、宙を見ていると
「あ、なんだよ・・。 2時つったじゃん。 まだ1時半だし。 飯行っちゃったよ、」
小野塚 成が戻ってきた。
「ちょっと外出から直接来たから。 少し早いかなとは思ったんだけど。 ね、ほんと。 きれいな人だねー。 ナルが言ってたとおり。」
「や、関係ないじゃん、」
その二人をぽかんとしながら見るさくら。
お茶を運んできた小和も同じ感じになっていた。
「もう。 ちゃんと説明してないから。 社長困っちゃってるよ、」
「あー、別に。 大したことでもないしって思って。 あとで言えばいいやって、」
「どういうこと？」
さくらはようやく言葉を発することができた。
セリシールでもきちんと税理士事務所に税務関係を頼むこととなり
成の実家が事務所を営んでると聞いて、そこに頼めば何かとツーカーでいいだろうと考え
お願いすることにした。
そして訪ねてきたのが、この『妹』。
事務所の名前が『神崎』。
この妹の名字も『神崎』。
一瞬で「？」となってナゾが渦巻いていた。
「・・お父さんが、婿に？ てか、ナルひとりだけ名前違うとか。 聞いたことなかったし、」
あらましを聴いたさくらは謎が解けてとりあえず納得したが
「いや別に自分から『おれだけ小野塚なんだよ』なんて言わないでしょ。 ほんと説明すんのめんどくさい。 子供のころから学校で聞かれるたんびにほんっとめんどくせーって思ってた。 別に名前なんかどーでもいいじゃんって思ってたし。」
成はそれを言うだけでも、もう面倒くさそうだった。
「・・複雑な家庭事情だったんだね・・」
さくらは出会った時からとにかく明るくコミュ力も抜群だった彼を見ていただけに意外だった。
「そういう『ワケアリ』っぽく見られるのも嫌なの。 別に名前違くても家族として一緒に暮らしてるんだから。 関係ないって。」
成は小和が運んできたアイスティーを飲んだ。
成のやや複雑な家庭環境は以前書いてます。アメンバー記事ですみません・・
→As you grow(10)
飄々といつも明るく軽めの彼のやや複雑な環境と『超大恋愛』が入り混じって繰り広げられます・・
なかなかの長編となっていますので、どうぞよろしくお願いします！
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クラシック事業部創世記編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新していますのでよろしくお願いします！
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『My sweet home～恋のカタチ。8』--evergreen--
『My sweet home～恋のカタチ。1 』 --cherry red--
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夏希＆高宮編
『My sweet home～恋のカタチ。3』--ash gray--
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『My sweet home～恋のカタチ。4』--Moonlight blue--
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斯波・萌香編
過去のお話を再掲させていただいています。
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