「・・いつか・・」

 

奏はポツリとそう言ったあと、黙ってしまった。

 

「え、」

 

ひなたはそっと身体を離した。

 

奏は困ったように目だけせわしなくキョロキョロさせて

 

耳も真っ赤になっていた。

 

「ん~~~~~」

 

そして目を閉じて、困ったように唸り始めた。

 

「・・どしたの?」

 

「いや。 ホント。 自分が子供すぎて・・うまく言い表せない・・」

 

困り果てている彼の姿がなんだかおかしくてひなたはようやくふっと笑ってしまった。

 

 

「・・いつか・・って。 まだ見えない先のことの話って、ことだよね。」

 

あまり賢いとは言えない彼女が

 

自分の思いをどこまでわかっているかは疑問なのだけれど。

 

 

ひなたは奏が言ってくれた

 

離れられない

 

の言葉が頭をぐるぐるしていた。

 

ぐるぐるしているうちに

 

心があったかくなってくる。

 

 

奏はひなたの肩にそっと手を置いて、すっとキスをした。

 

「・・カナ・・」

 

「この前。 約束は守るよって言ったじゃん?」

 

「え・・」

 

ひなたは記憶を手繰り寄せた。

 

あの奏が前に住んでいた浅草のマンションをリフォームするのに後片付けを手伝いに行った時。

 

そんな風に言っていたけど

 

意味はよくわかっていなかった。

 

 

「『あたし以外の女の子好きにならないで』」

 

奏はふっと笑った。

 

「は?」

 

「・・って。 ひなに言われたあの時から。 この約束は絶対に守るっておれ、決めたから。」

 

さらにひなたは記憶を手繰り寄せる。

 

 

まだまだこんなに深く好きとか嫌いとか全く意識もしておらず。

 

つきあってるんだか、なんだか・・の段階のあの言葉。

 

あの時点でキスだってまだしてなかったし

 

だいたい

 

カナのことを

 

好き

 

って言う前の時点で。

 

 

ひなたはその恥ずかしさにぼっと赤面をした。

 

「え? あ、あんなの! まだ本気にしてたの??」

 

「してるよ。 ずっと本気。 本気で約束したって思ってるよ、」

 

奏は何でもないように笑った。

 

「・・う・・わーーーー。」

 

ひなたは思わず目を閉じて宙を仰いだ。

 

なんだか悔しくてそんな約束をさせた自分。

 

ナニサマ、自分・・

 

穴があったら入りたい・・

 

「おれ。 これ・・これからもずっと言うからね。 何十年経っても。 ひなが、おれにこう約束させたんだから。 ずっと。 だからおれは約束をずっと守っているんだよって、」

 

奏は少し意地悪を言って笑った。

 

「ちょっと・・セーカク悪いよーー、」

 

ひなたは奏の頬をふざけてつねった。

 

まだまだ幼い二人の恋。それでもまっすぐで一点の曇りもない気持ちで・・

 

 

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