Prima Stella(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そして。

 

奏が出演するピアノコンチェルトが始まった。

 

いつものように背筋をぴんと伸ばして、鍵盤に指を落とす。

 

ひなたはステージの上の彼をジッと見つめる。

 

奏の舞台を見るのは本当に久しぶりだった。

 

普段見る奏は以前と全く変わらない気がするけれど、こうしてピアノを弾く奏は以前よりすごく大人っぽくなったように思えた。

 

そして演奏スタイルが変化していることがひなたにもわかった。

 

相変わらず

 

これが何の曲かとか、そんなこともよくわからないけれど。

 

高校生になって離れ離れになっている間に奏がこんなにも成長したんだ、ということだけがわかって少し涙が出そうになった。

 

 

 

同じように見に来ていた志藤とさくらも。

 

コンチェルト初挑戦の奏が、自分なりに課題をクリアして努力を重ねてきたことをひしひしと感じていた。

 

ピアコンはもちろんピアノありきのスタイルではあるものの、ピアノだけが浮いていてもいけないし、オケに負けてもいけない。

 

オケとの調和。

 

この間、志藤は技術的なアドバイスは一切しなかった。

 

学校での練習中ではもちろんあっただろうが、あの時迷いが見えた奏の様子は今は一切ない。

 

指揮者のタクトと、そしてコンマスとたまにアイコンタクトで疎通をはかり。

 

さすが全国から精鋭が集まる藝高。 1年生とは思えないレベルの演奏だった。

 

志藤は満足そうに小さく頷いた。

 

いつかホクトフィルと奏が共演する未来があるかもしれない。

 

そう思ったらもう胸のざわめきが止まらなかった。

 

 

 

演奏を終えて大きな拍手を浴び、笑顔でそれに応える奏が

 

すごくキレイだった。

 

ひなたは目の端を少しだけハンカチで拭った。

 

 

「思ったより。 良かったね。 なんかジーンとしちゃった、」

 

ホールから出るときにさくらが志藤に言った。

 

「うん・・」

 

その時。

 

出番を終えた奏がエントランスに出てきていたのが見えたので声を掛けようと足を向けると

 

その傍にいた見覚えのある女子高生を確認し、

 

「あ?」

 

思わず足を止めた。

 

「え、ひなた?」

 

さくらも驚いた。

 

ひなたが奏と嬉しそうに話をしている。

 

「来てたんだ、」

 

志藤も知らなかった。

 

ひなたと話している時の奏の表情はあの舞台の上の彼とは全く違うようで、

 

本当に優しい笑顔で、

 

そしてひなたも親の自分でも見たことがないような嬉しそうな顔で。

 

「・・じゃ、おれ。 まだ仕事あるから。 帰るわ、」

 

志藤はぽつりと言って、足早にホールを出てしまった。

 

「あ・・お疲れさまです・・」

 

さくらはぼーっと彼の背中を見送った。

 

あんなラブラブ加減見せつけられたら。

 

父親なら逃げたくなるなあ。

 

奏ってば。

 

もー

 

嬉しそうに。

 

 

さくらは再び彼らを見て、少しだけ微笑んだ。

 

ま。

 

寸評は

 

また今度。

 

 

さくらも肩にバッグをかけ直してそっとホールを出た。

 

コンチェルトは大成功に終わりました。志藤はひなたの姿を見つけて複雑な思いですが・・

 

ひなたと奏はお互い少しずつ成長していっているようです。

 

このつづきは・・いつかまた。

 

(^.^)

 

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