Prima Stella(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

奏は学校の成績も優秀で

 

1年生の代表でピアコンに出ることは誰も異存はなかったけれど

 

ピアコン初体験なので

 

戸惑いもあった。

 

「まあおおむねいいよ。 自分のペースを守って、」

 

先生には一応OKを貰った。

 

「はい、」

 

しかし奏はずっとモヤモヤしたままだった。

 

 

「ねえ。 高遠くん。 みんなで帰りゴハン食べて行かない? もう7時だし、」

 

オケの女子たちに誘われた。

 

「あー・・うん。 ちょっと家帰ってもう少し練習したいから。 ごめん、」

 

そう言って帰り支度をした。

 

 

「見た目と違ってほんっと・・カタいよね、」

 

「めっちゃストイックらしいよ。 もったいない、」

 

女子たちは口々に噂をした。

 

「でも。 イケメンだよねー・・。 ほんっと悔しいけど、」

 

 

両親がNYに帰ったので、また北都家での生活が始まった。

 

「どうしたの? なんか固まっちゃって、」

 

南が茶碗と箸を手に固まっている奏に声をかけた。

 

「え? あ・・すみません、」

 

ハッとしてごはんを食べ始める。

 

「コンクールと学校で。 大変なんやない? 身体、大丈夫?」

 

「いえ。 体調はすごくいいんですけど・・。 なかなか初めてやることなので勝手がまだつかめなくて。」

 

奏は素直に迷いを口にした。

 

その時、玄関のインターホンが鳴った。

 

「ん? こんな時間に。 誰やろ、」

 

南が立ち上がった。

 

 

「あ、メシ食ってた? ごめんごめん。」

 

志藤だった。

 

「・・どうしたんですか?」

 

奏は突然やって来た志藤に驚いた。

 

「これ。 モーツアルトの21番のオケ部分だけ録音したCDと。 DVDも。 テンポも違うしアレやろうけど。 ないよりマシかなって思って、」

 

「え、」

 

そのCDとDVDを手渡されてまた驚いた。

 

「最初はな。 なかなか感じがつかめないから。 とにかく周りの音に併せようとかやなくて。 一緒に溶け込むような感じで。 藝高のヤツらなんやから、レベルだってそうとうやろ。 迷わずに中に入っていくように。」

 

奏はそれを手にしたまままた固まって、そして

 

「・・今。 時間ありますか?」

 

志藤に目を向けた。

 

 

CDからオケの演奏が流れる。

 

奏はそれを聴いてピアノを弾き始めた。

 

ごはんも途中にして

 

地下のピアノ室に籠った。

 

 

志藤は傍で腕組みをして聴いていたが、

 

通しで一度弾いた奏に

 

「え、別に普通にできてんじゃん、」

 

とあっさり言った。

 

「・・いや。 もっと良くしたいんです。 なんかほんの少し、ものすごく少しなんですけどオケとズレるようで。 気持ちが悪いんですよ、」

 

奏は学校の練習からずっと思っていたことを志藤に吐きだした。

 

初めてのコンチェルトに奏はなかなかつかめずに・・

 

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