Prima Stella(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ただいま、」

 

志藤が帰宅すると、すでに涼太郎の発表会からみんな戻っていた。

 

「どうやった?」

 

早速涼太郎に聞くと

 

「うん。 ちょっと・・つっかえちゃったけど。 でもちゃんとできたよ。 みんな拍手してくれた、」

 

明るくそう言った。

 

「そうか。」

 

ホッとした笑顔を見せた。

 

「動画も撮ったよ。 見る?」

 

ななみがタブレットを持ってきた。

 

「今、手洗ってくるから。 それから見る、」

 

「あ、奏くんがLINEくれたよ、」

 

涼太郎が嬉しそうにスマホを見せた。

 

「奏が?」

 

「うん、」

 

 

カノンはぼくも大好きな曲だよ。

 

今度連弾しよう。

 

 

短い文面だったが、涼太郎はすごくうれしかったようで志藤に笑顔で

 

「奏くんと連弾できたらうれしいなー、」

 

と無邪気に喜んだ。

 

「おれとのがええやん、」

 

ちょっとおもしろくなさそうに志藤は言った。

 

「奏くんのコンクールの曲、決まった?」

 

「うん。 チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。 涼も知ってるやろ?」

 

「知ってる! チャラララ~~ン、バン!! ってヤツだよね!」

 

「うん。 難しいけど・・奏なら何とかいけると思う、」

 

志藤は涼太郎の頭を撫でた。

 

「ほんと。 奏くんがホントのお兄ちゃんならいいのになー。 おれもお兄ちゃんが欲しいよー、」

 

それには敏感に反応し

 

「奏は。 お兄ちゃんじゃないから。 絶対、お兄ちゃんにはならへんから、」

 

ムキになったので、ななみはその意味がわかって

 

「えー、パパは奏くんのこと大好きだと思ったのにー、実はお姉ちゃんとつきあってるの喜んでると思ったのにー」

 

とからかって笑った。

 

それには食い気味に

 

「全く喜んでないから。 それとこれとは別やから。 これから奏はもっともっと経験積んで、いつかは海外で活躍するようなピアニストになってもらうんやから。 ひなたがそんなんについていけると思ってないから、」

 

思わず『本音』を言ってしまった。

 

「お姉ちゃんは。 ああ見えて根性はあるよ。」

 

ななみは父の『迷い』を見透かしたように静かに言った。

 

「・・だから。 それとこれとは。 別、」

 

志藤は少し淋しそうにそう言い放って洗面所に行ってしまった。

 

「もー。 あんまりさあ、パパを刺激しちゃダメだって、」

 

涼太郎はななみを小突いた。

 

 

志藤は手を洗いながら

 

奏に関わるようになってから、正直ひなたとつきあってるとかそういうことは全く結びつけることがなかった、と思っていた。

 

娘の彼氏

 

というところを跳び越えて、今は奏を見ていた。

 

そんな自分に少しだけ戸惑っていることも事実だった。

 

子供たちとは別のところで奏のことを本当に大切に思う志藤。 ひなたとの関係も気になりますが・・

 

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