Prima Stella(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「じゃあ。 やっぱりチャイコの1番ってことでいいか、」

 

志藤は腕組みをして言った。

 

「本選のコンチェルトは・・第一楽章だけだから。 奏は今まで経験がないし、フルだとちょっと厳しいかなって感じもあったけど・・。 なんとかいけると思う、」

 

さくらは言った。

 

「奏は?」

 

そして横にいる奏に聞くと

 

「はい。 ぼくもチャイコが良かったんで。 すっごい楽しみです、」

 

満面の笑みだった。

 

「学園祭は、何やるの?」

 

志藤が聞くと

 

「モーツアルトの21番です。」

 

サラっと答えた。

 

「21番って・・ウィーンでやってたヤツだよね?」

 

さくらは夏休みのことを思い出していた。

 

「はい。 一応通しでできますが・・。 オケと併せるのはまた別の話で。 結局、ソリストに選ばれなかったし・・。」

 

「ま、でも。 コンチェルトの経験はそこで積めるってことやな。 それ、いつ?」

 

「来月の10日です。」

 

「それ。 おれも見に行くわ。 さくらちゃんも都合つけて。 チケット、もらえるの?」

 

「たぶん一人の生徒につき2枚までって言われてますから・・大丈夫だと思います、」

 

 

話し合いが終わって帰り際に

 

「ヘンな取材の申し込みとか。こっちにきてない?」

 

志藤がさくらに言った。

 

「まあ・・ぼちぼち。 全部、ホクトの志藤さんの方にって丸投げしちゃってるけど。 これでクラシックマスターに出たら、また注目されるね。」

 

さくらは心配そうに言った。

 

「まあでも。 いつかは・・こうなると思っていたし。 おれらがしっかりやってれば大丈夫。 今は高校生やから、キツめにセーブしてるけど、時が来たら反対に注目されんとアカンし。」

 

「ま、あとは。 コンチェルトやりきる体力もつけないと。 食事はもちろん、ちょっと運動したりして。」

 

さくらは書類をそろえながら言った。

 

「あの清永は見るからに体力ありそうやな。」

 

志藤は清永の姿を具体的に思い出して言った。

 

ガッチリタイプで、とにかく熱量のあるピアノを弾く。

 

「・・清永さん。 この前、恐竜博で偶然会ったんです、」

 

奏はちょっと得意げに言った。

 

「は? 恐竜博? え、あの凜太郎を連れて行ったっていう・・」

 

「はい。 もうびっくりして。 相当恐竜好きみたいです。 本当にピアノのまんま強気な人で。 ちょっと上から目線な人だなって思うけど。とても素直でおもしろい人です、」

 

「恐竜・・」

 

さくらと志藤はやや首が傾いだ。

 

「いや。 奏のが顔で勝ってるから。 ぜんっぜん大丈夫だから、」

 

さくらがシレっと言ったので、この前ひなたに同じことを言われたことを思い出し笑ってしまった。

 

「なによ、」

 

「いえ。 ほんと。 顔は関係ないんで、」

 

奏は笑いをかみ殺しながら言った。

 

本選のコンチェルトに向けて動き出します・・

 

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