Take a chance(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
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涼太郎は学校帰りにランドセルを背負ったまま

 

とあるビルの前までやってきた。

 

しばらくそのまま躊躇していたが、

 

よし!

 

と小さな声で言ったあとそのビルの中に入って行った。

 

 

「・・えっと。 レッスン希望? いや、ウチ今新規で募集してないから、」

 

小野塚は戸惑ったように相対した。

 

「いいえ。 あの! 奏くんは来ていますか。」

 

涼太郎は

 

スタジオ セリシールまでやってきてしまった。

 

「名前は?」

 

「志藤。 涼太郎です。」

 

真剣なまなざしで名乗った。

 

「・・しどう???」

 

小野塚の首が45度ほど傾いた時

 

「だれ?」

 

さくらが出てきた。

 

入口にランドセル姿で立っている少年と小野塚を交互に見て目をぱちくりさせた。

 

 

 

「え! 先生のところに? 涼太郎が?」

 

ゆうこは驚いて思わず声を張った。

 

「ええ・・。 家に言ってないって言うもんですから。 奏に会いに来たって言って。 今日はもうすぐ来る予定ではあるんですけど、」

 

さくらは外に出るふりをして志藤の家に電話をした。

 

「もーーー、ほんっとすみません! ご迷惑を・・。 あたし、迎えに行きますから。 どうして篠宮先生のところがわかったのかしら・・」

 

「あ、いえ。 大丈夫です。 どうしても奏にって言ってるので。 とりあえず安心してお待ちください。 また連絡します、」

 

さくらは顔を上げた。

 

 

「そっか。 志藤さんとこの長男坊か。 何年生?」

 

さくらは涼太郎にジュースを持ってきた。

 

「6年生です、」

 

喉が渇いていたみたいで、すぐにそのジュースを飲みほした。

 

「よくここで奏がレッスンしてるのわかったね。 ひなたに聞いたの?」

 

「・・ネットで検索しました。奏くんのことを調べていたらここのことが書いてありました。」

 

「現代っ子だね・・」

 

さくらは苦笑いをした。

 

「きみは。 ・・お母さん似なんだね。」

 

この前やってきた凛太郎の顔を思い浮かべて言った。

 

すると涼太郎はあからさまに不機嫌な顔をして

 

「ぼくは。 お父さんに似てるって一度も誰にも言われたことありません。 ・・ひょっとしてお父さんの子じゃないのかも・・」

 

冗談とも本気ともつかない感じで言ったので

 

「おいおい。 不穏なこと言わないの。 お母さんの立場を考えなさい、」

 

さくらは彼の前に座った。

 

「お父さんの子なら。 もっとピアノが巧かったかもしれない、」

 

涼太郎は部屋に置いてあるグランドピアノを見ながら言った。

 

「ピアノ、やってるの?」

 

「・・4歳のころからやってます。 兄弟でピアノをやっているのは・・ぼくだけです、」

 

涼太郎はコップをテーブルに置いてうつむいた。

 

さくらの事務所に奏に会うためにやってきてしまった涼太郎でしたが・・

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