「あ、えっと。 佐野くんはひなの同級生なんです、」
奏は慌てて説明をした。
「え、ひなたの?」
さくらは驚いた。
「はあ、」
佑真も何となく頷いた。
「え、ひなたの同級生の男子と・・奏が? なんで?」
「なんでって・・」
二人は顔を見合わせて非常に答えに困っていた。
「あ! わかった! ひなたを巡って決闘した!」
さくらは酒が回ってきたようで、ケタケタ笑いながら二人を指差した。
「決闘って・・。 いつの時代・・」
佑真が顔をひきつらせると
笑っていたさくらの表情が一変し
「あんた! あたしのことおばさんて思うちょるでしょうが!」
いきなり絡み始めた。
「い、いえ! そ、そんなことないです! こ・・こんなキレイなピアノの先生とか! ほんっと高遠くんが羨ましいです!」
佑真は彼女の勢いにビビった。
「さくらさん。 高校生相手に絡んじゃダメですよ。 ・・男って女性にはわからない『共鳴』がありますから。 」
葦切が間に入ってさくらをなだめた。
確かに
あの時偶然に出会って、不思議に話が弾み
LINEで会話を交わすようにもなった。
いかにも体育会系という佑真と、少女マンガから飛び出て来たかのようなピアノを弾く奏は、見た目も中身も正反対のようだったが
何故か話をしているとお互いにすごく惹かれるものがあった。
ひなたのことは置いといて。
普通の高校1年生男子同士の気の合う友人っぽい感じにはなっていた。
これは何だか口では説明できない・・
奏も佑真も同じように思っていた。
「へえ。 高遠くん、すごいコンクールに出るんだあ。 応援するね。頑張ってね、」
「ウチはピアノなんて無縁だけど、すごいよなあ。これからきっと外国で弾いたりもするんだろうなあ、」
店があまり忙しくなかったこともあって、佑真の両親も話に加わって話に花が咲いてしまった。
「奏は。 今まで日本人にはいなかったタイプの演奏家なんです。きっと! 海外の人たちにも評価されるピアニストになれると思います!」
さくらは酔いも手伝って上機嫌でそう言った。
「・・先生。 またそんなにハードル上げると・・」
奏は尻込みした。
「あんたが! それを信じなくてどーする! もー。 もっと自分に自信持ってよ、」
さくらは彼の背中を叩いた。
「わかりましたわかりました。 頑張りますよ・・」
仕方なく奏がそう言ったのでみんな笑った。
奏と佑真の『関係』を聞いて、不思議がるさくらでしたが・・
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