Peaceful(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

奏がハッとして言葉を発しようとした時、さくらの携帯が鳴った。

 

「あ、はい。・・はい。 今日はもう仕事終わろうかなって思ってたところです。 え? ・・あー、いいですよ。  うん、じゃあまた連絡しまーす。」

 

スマホを切ってバッグにしまいながら

 

「で、どこにする?」

 

またフツーに訊かれて

 

「・・何でも、いいんですよね?」

 

奏は一応確かめた。

 

「いいけど・・。 いや、常識の範囲内ってことだよ? そのくらいわかるよね?」

 

何を言い出すのか少し怖くなりさくらは予防線を引いた。

 

「たぶん・・このくらいなら大丈夫だと思うんですけどー・・」

 

 

 

「へー。 ここ知ってる。前に雑誌で見たよ。  よくこんなお店知ってたね、」

 

「ぼくも初めてです。 楽しみだなあ、」

 

奏は横に立った葦切を見ながら

 

「はあ、」

 

と曖昧に答えた。

 

「予約ナシでもいけるかな。」

 

店に入ろうとするさくらに

 

「やっぱり。 ぼく帰ります・・」

 

奏は遠慮がちに言った。

 

「え、なんで? 奏が食べたいって言うから。 ねえ、」

 

さくらは葦切に同意を求めた。

 

「そうですよ。 たまには一緒にいいじゃないですか。」

 

葦切はいつものように人のいい笑顔だった。

 

いや。 なんかおれが邪魔みたいじゃん・・

 

奏はさくらと葦切の真意を量りかねた。

 

「よーし、入ろう!」

 

さくらは張り切って

 

『さのや』

 

と書かれた看板の横の引き戸を開けた。

 

 

「いらっしゃーい。 ・・・あ、高遠くん??」

 

佑真の母が奏に気づいてすかさず声を掛けた。

 

「こんにちわ・・。 えっと。 『エラい人』に連れてきて頂きました。 今日は、」

 

少し照れくさそうに言った。

 

「あらあ。 ありがとねえ。 大丈夫よ、今日はそんなにお客さんもいないから。 どうぞ、こちらへ。」

 

奥のテーブル席に案内をしてくれた。

 

「うなぎなんて久しぶりー。 奏、なかなかチョイスいいよ。」

 

いかにも老舗、という店の中もさくらは気に入ったようだった。

 

すると佑真の母が厨房の奥に向かって

 

「佑真~! 佑真! 高遠くん、来たよ!」

 

大きな声で呼んだ。

 

「あ、いいです、そんな・・」

 

奏がそう声をかけると、裏の階段から降りてくる音がして

 

「え? 高遠?」

 

ちょうど学校から帰ってきた佑真が顔を出した。

 

「なんだよー。 来るなら言えよ~、」

 

嬉しそうに奏の所にやってきた。

 

「急に。 ごちそうしてくれるっていうから・・」

 

「そっかあ。」

 

佑真はさくらと葦切を見た。

 

そして

 

「え? お父さんとお母さん?」

 

思いっきり見たまんまの指摘をした。

 

奏はさくらと葦切を佑真の実家『さのや』に連れてきました・・

 

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