Peaceful(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ひな・・」

 

奏は切なくつぶやいた。

 

「さくら先生よりも、パパよりも。 誰よりも。 あたしが信じなくちゃいけない気がする。 カナのこと、」

 

 

なんか。

 

泣きそう・・

 

 

奏はひなたのその思いに胸がいっぱいになった。

 

「ありがと。 すごく、すごく嬉しい。 ・・でも、ひなも自分の好きなことに打ち込んで欲しいと思う。 逆におれもひなのことを一番に応援するから、」

 

スマホ画面を通してひなたがじーっと自分を見つめてくれていることが少し恥ずかしく、視線を落としながら言った。

 

「もし。 離れる日が来ても。 ずっと。」

 

そして視線を彼女に向けた。

 

奏がウィーンに1カ月間行ってから

 

ひなたなりにその現実を受け止めるようになった。

 

 

画面の向こうの彼女を見やったあと

 

「髪、伸びたね。」

 

つくづく言った。

 

「え? そお?」

 

ひなたは頭に手をやる。

 

「うん。 ・・やっぱり時間は知らないうちに過ぎてる。 髪がもっと伸びて、前と同じくらいになれば。 きっと脚も良くなってる。」

 

優しく優しくそう言った。

 

「・・うん。」

 

ひなたは髪を思い切って切った時のことを思い出していた。

 

髪が元の長さになるまでは、我慢・・とあの時思ったことも同時に思い出した。

 

「ね、長いのと短いの。 どっちが好き?」

 

そしていたずらっぽくそう言った。

 

「え、」

 

奏はまた言葉に詰まってしまった。

 

「パパはね。 長い方がいいって言うの。 やっぱ、そうかな。」

 

「・・いや。 短いのも似合うよ。 すごく似合っててびっくりした、」

 

たまにこうして

 

彼女が愛おしくてたまらなくなる。

 

そういう時間がどんどんと増えていることが自分でもわかる。

 

 

 

コンクールの3次が週末に迫り、奏は出張から戻ったさくらと一緒に運営事務所に詳細の確認に向かった。

 

「あーあ、時間かかっちゃったね。 たまにはなんか食べていく?」

 

さくらが言った。

 

「え、あ・・はあ、」

 

「コンクールも近いし。 なんか美味しいものごちそうしてあげる。 何がいい?」

 

「えっ、」

 

さくらと知り合ってから、こんなことがなかったので奏はやや戸惑った。

 

「なによ、その『裏に何かあるのかな?』みたいな顔は!」

 

さくらはそう言って奏の背中を叩いた。

 

「え? いや・・、そ、そんなこと思ってないです、」

 

慌てて否定したが、やや図星だったのでドキっとした。

 

「ほんと。 何でもいいなよ。 これでも社長だし。 少しくらい贅沢できるよ、」

 

「そんなこと言われても・・」

 

奏はうーんと考えて

 

「あ、」

 

ふっとひらめいた。

 

悩んでも、何をしても時間は過ぎていきます。 そして奏はさくらと共に・・

 

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