Peaceful(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

奏からスカイプの着信だった。

 

「あ、勉強中じゃなかった?」

 

と言われ

 

「テスト前でもないのに勉強はしません・・」

 

ひなたの返しに笑ってしまった。

 

「あ。 今日。 カナのお母さんがわざわざ来てケーキ持ってきてくれたんだって、」

 

「ああ、そんなこと言ってた。 お礼しないと悪いとかなんとか言って。 いつも自分はこっちにいないから、せめている間はって、」

 

「お母さんたちいつ帰っちゃうの?」

 

「ええっとコンクールの3次まではいれるけど・・そのあと3日くらいで戻るみたいだよ。 設楽さん、またNYで大きな仕事が入ってるんだって、」

 

「そっかあ・・ 寂しいね。」

 

「ミオと離れるのはちょっとさびしいけどね・・。 でも。 なんかそんなに離れてる感じしないし。 今はこうやって顔を見ながら電話もできるし。」

 

無理をしているわけでもなく、本音を言っているようだった。

 

「今なにしてたの?」

 

「柔軟。 毎晩やってるけどー。 まだ右ひざが真っすぐにならないの、」

 

ひなたは肩を落とした。

 

「それはきっと、まだもうちょっと時間ちょうだいって右ひざが言ってるんじゃない?」

 

「カナってけっこうメルヘンチックなこと言うよねー、」

 

「え? メルヘンチック?」

 

「なんか。 恐竜展行って、あたしの知らないカナを見たっていうか。 あたしよりすっごく大人だと思ってたから。 凛とおんなじなのかって思った。」

 

ひなたは笑った。

 

「え、そうかなあ・・」

 

奏は不満そうだった。

 

「でも。 そういうところをあたしに見せてくれるのも。 ちょっと嬉しいけどなー・・」

 

頬杖をついてそんなことを言うひなたに

 

奏はスマホの画面を通してもわかるほど顔を赤らめてしまった。

 

そんな彼を見てひなたはふふっと笑った後

 

「前に。 頑張っても頑張らなくてもどっちでもいいよ、って言ったでしょ?」

 

おもむろに以前の話をし始めた。

 

「え? あー・・うん、」

 

とりとめのない会話の中だったけれど、その彼女の言い様が少し意外な感じだったので

 

奏はその時のことを覚えていた。

 

「・・それは。 あたしがって意味であって。 やっぱりカナは頑張らなくちゃいけない人なんだなって、思った。 別に誰のためにとかじゃなくて、自分のために。 そしたらあたしはそんなカナが頑張れるように。 いつも見ていたい、」

 

いつもの彼女ではない少し大人びた表情でスマホ画面の中にいた。

 

二人は少しずつ大人になって行きます・・

 

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