Peaceful(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ほんとに。 よかったのー?」

 

帰宅した後、帰りが遅くなる母に代わってひなたとななみが夕食を作っていた。

 

ななみはもう夕方には帰ってきたひなたを気にした。

 

「うん。 別にもう会えないわけでもなんでもないし。」

 

鍋の火加減を見ながらひなたは言った。

 

「でもさー、」

 

「なんか。 最近はあたしの方が気になっちゃって、」

 

「え?」

 

「あたしと会ってる時間。 カナはもっともっと練習しなくちゃいけないんじゃないか、とか。」

 

ひなたはひとつ小さなため息をついた。

 

「・・パパに。 なんか言われた?」

 

神経が細やかなななみはそれを気にした。

 

「ううん。 最近は、なんも。 今度のコンクールで、もし上位に行かれたら・・ドイツのコンクールに出れるんだって。 日本だけじゃなくて、どんどん外国に出て行くようになるんだなあ、って。」

 

ひなたは明るく言ったが、その裏では

 

さびしい

 

という気持ちが心のどこかに淀んでいることがわかった。

 

「あたしも。 早くチアできるようになりたいな。 あんまり色んな事考えなくて済みそうだし。 ね、にんじんとかに含まれてるカロチンって油と一緒だと吸収が良くなるんだって。 にんじんのきんぴらとかどうかな。」

 

「・・うん、」

 

ここのところひなたが少しずつ変わってきている気がしていた。

 

正直あまり周囲のことを考えず突っ走る性格で

 

妹の目から見てもやや危なっかしい感じだった。

 

最近のひなたを見ていると

 

自分が

 

奏にふさわしくなるように

 

と頑張ってるようにも見える。

 

こんなに我慢が出来る性格だとも思っていなかった。

 

 

 

それから3日ほどした後

 

「ただいまー・・。 あーつかれた、」

 

学校から戻ったひなたがリビングにリュックをどさっと置いた。

 

「おかえりー、」

 

こころと凛太郎がケーキを食べていた。

 

「あ、ごはんの前にそんなん食べてー。 って、美味しそう! どこのケーキ?」

 

ひなたは身を乗り出した。

 

「今日の昼間。 奏くんのお母さんが来てくれたの、」

 

キッチンから母がやってきた。

 

「え? カナのお母さん?」

 

「うん。 この前の恐竜展のこと。 お世話になりましたって、」

 

食べ終わったこころと凛太郎は皿をキッチンに片しに行ってしまった。

 

「あー。 チケットとかお昼代のこと気にしたのかな? もー、ホント親子で気にし過ぎだよね・・」

 

ひなたは空いた椅子に座った。

 

「奏くん。 ほんっと楽しかったみたいって。 家に戻ってからもパンフレットとかおみやげ見せてね。 喜んでたって、」

 

「いやマジ、カナもリアルで楽しんでたからね。 凛といい勝負なくらい。 あんなに恐竜が好きなんてあたしも知らなかったし、」

 

ひなたも箱の中のケーキを物色しながら笑った。

 

ななみは姉の『変化』をしみじみ感じています・・

 

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