「なんか変な人じゃない?」

 

ひなたは早歩きでその場を立ち去る奏に声を掛けた。

 

「おれも話したことあるわけじゃないから・・あんまりわかんなかったけど。 でもすごい人なんだよ。 今21歳で、ロシアの音楽学校に在籍していて。 小学生のころから海外のコンクールでジュニアでトップ獲ったこともあるし。 設楽さんのことを後押ししてくれているM響の平林さんてディレクターさんがいるんだけど。 その人が後ろ盾にいるんだ。」

 

「M響? んじゃあ・・ホクトのライバルってこと?」

 

「ライバルかどうかは・・わかんないけど。 3年後のショパンコンクールを狙ってるって聞いた。 とにかく業界では有名な若手ピアニストだよ、」

 

「今カナが出てるコンクールにも出てるんだあ、」

 

「うん、」

 

「・・でも! 顔はカナの方がぜんっぜん勝ってるから!」

 

ひなたは大まじめにそう言った。

 

「いやいや、顔、関係ないから。」

 

奏は思わず笑ってしまった。

 

 

そろそろ帰ろうか、という時にひなたがトイレに立った。

 

「あー、たのしかったー」

 

凛太郎は満足そうにパンフレットを見ながら言った。

 

「よかったね。 おみやげも買ったし。」

 

奏は凛太郎の頭を撫でた。

 

「かなでくんとおそろいだね。 このフィギュア。 たからものにしよーっと。」

 

売店で買ったトリケラトプスのフィギュアを大事そうに手にした。

 

「おねえちゃんは。 やさしい?」

 

奏が聞くと

 

「うーん。 おにいちゃんとこころちゃんとはよくケンカするんだけど。ひなたとななみとはあんまりしない。 たださわいでると『うるさい!』って頭ぺしって叩かれる。」

 

凛太郎は笑った。

 

「そっか、」

 

「ひなたとパパがけんかしてるときはもっとうるさいのに、」

 

それには笑ってしまった。

 

「学校で九九やり始めた時ね、ひなたも一緒になってやってたら7の段の最後の方まちがえてたよ、」

 

次々と暴露する凜太郎に奏はさらに声を出して笑った。

 

「でも。ママが用事で遅くなった時、ひなたがごはん作ってくれたの。 おいしかった、」

 

「え、ほんと? 何作ってくれたの?」

 

「えーっとね。・・・なんか、忘れたけど。 キャベツの・・なんか!」

 

凛太郎はククっと笑った。

 

「キャベツのなんかかー。 おれも食べたいなあ、」

 

「あ、今日ねえ。 ママ帰りが遅くなるから、またおねえちゃんがごはん作るっていってたよ。 今日食べにおいでよ、」

 

奏のシャツの袖を掴んで言った。

 

 

ひなたがトイレから出た時、LINEが着信したのに気づき開いてみた。

 

『テスト終わったから凛を迎えにいくよ。 どこ?』

 

ななみだった。

 

ななみが気を遣ってくれていることがわかってふっと笑ってから時間を確かめた。

 

奏は凛太郎の話を微笑ましく聞きます。 そして帰る時間となって・・

 

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