Peaceful(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

清永は奏の顔をじーっと見て

 

「あ・・。 ええっと・・ジャパコンの、」

 

どうやら思い出してくれそうな感じだった。

 

「あ、どうも。 ・・こんにちは。 や・・こんなところで会うなんて、」

 

奏は彼と特にあいさつさえかわしたことはなく、やや気まずそうに言った。

 

「なんだっけ? 名前。 ・・カナデ?」

 

「え、あ、はい。・・高遠 奏、です。」

 

「あ。 カナデって名前の方だったの? 名字じゃなくて。」

 

「はあ・・」

 

何となくピントの外れた受け応えにやや気が抜けた。

 

そんなことをしている間に、凛太郎はスーッと彼の前にちゃっかり入ってしまった。

 

「あ、」

 

清永はそれをやや忌々しく見やった。

 

「すみません、ちっちゃいんで、許してやってもらえませんか?」

 

いつも物おじしないひなたはお願いポーズをして許しを請うように言った。

 

「誰?」

 

清永はひなたを指差して言った。

 

「えっ・・、えーっと、」

 

なんかもう色々焦る。

 

奏が口ごもっているのを見てムッとしたひなたが

 

スッと彼の腕を取って

 

「彼女、です!」

 

やや攻撃的に言った。

 

「は? 彼女? おまえ。 高校生?」

 

「は・・はい。 高1、です・・」

 

清永は二人をじーっと見て

 

「・・生意気な・・」

 

何とも悔しそうな顔をした。

 

「てか。 だれ?」

 

ひなたの失礼なもの言いに

 

「こ、この人は。 清永蒼太さんって言って。 若手のすごいピアニストだよ、」

 

奏は慌てて彼女に言った。

 

「へー。 そうなんだあ・・。 って、恐竜好きなんですか?」

 

ひなたはどんどん質問をしてしまった。

 

「好きじゃないのにわざわざここまで来るか、」

 

清永はムッとしながら答えた。

 

「え、ひとりで?」

 

さらに踏み込むひなたに

 

「『ひとり』で、ゆっくり見たいから! 余計なお世話だ!」

 

彼はムッとして言い返した。

 

「おれは福井の恐竜博物館に行って化石掘り体験もしたし、アメリカのスミソニアン博物館にも行ったことがある! おまえ行ったことあるか?ないだろ?」

 

ものすごく挑戦的に思いっきり指をさされた。

 

「な、ないです・・」

 

奏は思わず真面目に答えてしまった。

 

「よっぽど好きなんですね・・」

 

ひなたは彼が着ていたパーカーがよく見ると恐竜のプリントがしてあるのに気づいてそう言った。

 

そんなことをしているうちに

 

「おもしろかった!」

 

上映が終わってしまい、凛太郎が戻ってきた。

 

「あ! 終わっちゃったじゃないか! これ見るのに40分も待ってたのに!」

 

清永は奏とひなたに言った。

 

「す、すみません・・。 じゃあ、」

 

奏が気まずそうにその場を離れようとすると

 

「おまえ。 3次に残ってんだろ?」

 

と言われた。

 

「え、あ、はい・・」

 

「悪いけど。 優勝するのはおれだから。 高校生に負けるとか。 ありえないし、」

 

鋭い視線を送られた。

 

奏はそれには黙って会釈をしてその場を立ち去った。

 

そこで偶然出会ったのは若手No.1ピアニストと言われている清永蒼太でした・・

 

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