「おねえちゃん、おなかすいた、」
夢中になっていて時間を忘れていた凛太郎が急に言い出した。
「あー、もう1時半だもんね。 あっちにレストランがあるよ。 そこで、」
ひなたは指差した。
奏はまだ資料を写真に収めたりしていた。
「カナー! ごはんにしよ!」
大声で呼んでようやく気がつくくらいに。
「えー、トマト・・きらい。」
海老フライについてきたトマトを嫌がる凛太郎に
「もー、ちゃんと食べないと。 ママに言いつけるよ、」
ひなたは口を尖らせた。
「いっつも我慢して食べてんだよー? 今日は恐竜展でたのしいのに、トマトでいやなきもちになりたくないーー」
オーバーに嘆いた。
「ちゃんと。 家や学校では食べるんだよ、」
そう言って奏がトマトを食べてやった。
「あ、甘いな~~~」
ひなたが思わず言うと
「確かに。 今日は楽しい日だしね。 今日だけだよ。」
奏は凛太郎に笑いかけた。
「かなでくん、やさしー。 ウチのおねえちゃんやおにいちゃんたちはすごいきびしいんだよ?」
凛太郎はムスっとして言った。
「それは。 兄弟だからだよ。 凛太郎くんのことを思って厳しくしてるんだよ。 たくさん兄弟がいるっていいね。」
「えー? ぼくいっつも洋服も靴もおさがりなんだけど?」
「それでもね。 楽しいことのが多いよ。 ほら、なんだかんだ言ってもひなたおねえちゃんは凛太郎くんを恐竜展に連れて行ってくれるじゃん。パパやママが忙しくても。 おねえちゃんたちがちゃんと凛太郎くんの面倒みてくれる、」
奏は優しく言った。
「大人になると。 もっと兄弟がいっぱいいてよかったなーって思うと思うよ。 頼りになるし、」
「そうかなあ。 かなでくんは兄弟いるの?」
「いもうと。 まだ赤ちゃんだけどね。」
「そっかあ。 あー、かなでくんがお兄ちゃんだったらよかった、」
「にくたらしー、」
ひなたは凛太郎の頭を軽く小突いた。
「おしめ替えてやったりミルク飲ませてやったりお風呂入れてやったりしたじゃん。 恩を忘れたな?」
「赤ちゃんのころはおぼえてないよー、」
「ほんとママが末っ子だからってめっちゃ甘やかしてるんだよー。 だから人見知りになっちゃって。 こんなにしゃべってるとこあたしでさえあんまり見たことないよ、」
ひなたの言葉に奏は笑った。
奏はひなたたち兄弟のにぎやかさが少し羨ましく・・
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