Peaceful(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「え・・デートに弟って・・いいの?」

 

さくらは思わず聞いてしまった。

 

「え? いや今回はどうしてもってことになったんで・・。 別に、」

 

奏は涼しい顔で楽譜をバッグに仕舞った。

 

詳しい事情はわからなかったが

 

さくらはひなたの気持ちをじわじわと察した。

 

「ちょっとここに寄るって言ってるんですけどー、」

 

と言っているうちにインターホンが鳴った。

 

 

 

「ホラ。 凛、ごあいさつは?」

 

人見知りの凜太郎はひなたの手をぎゅっと握って後ろに隠れてしまった。

 

「この人、顔ほど怖くないから、」

 

ひなたのひと言に

 

「ちょっと! 失礼な!」

 

さくらは突っ込んだ。

 

そして

 

「へー。 きみが末っ子くんかあ。 ひなたと似てるね。 てことはお父さん似かあ・・」

 

屈んで彼の表情を伺った。

 

「・・しどうりんたろうです・・」

 

蚊の鳴くような声で自己紹介をする弟に

 

「兄弟5人の中で、あたしと凜太郎が一番顔が似てて。 後の3人はどっちかってゆーとママ似なんです。 でも性格はぜんっぜんあたしと凜太郎は違うけど。 めっちゃ泣き虫だし。 甘えん坊で、」

 

ひなたはやや呆れたように言った。

 

そんな凜太郎に

 

「ね、恐竜好きなの?」

 

奏も屈んで彼の目線に合わせて言った。

 

「・・うん、」

 

少しだけ笑顔で頷いた。

 

「おれも。 めっちゃ好き! 児童館でもいつも恐竜の本読んでたんだー。 一番好きなのなに?」

 

「トリケラトプス・・」

 

「おれも! カッコイイよね、 あとプテラノドンも好きなんだー」

 

「ぼくも! 絵も描けるよ、」

 

いきなり凜太郎の顔がぱあああっと明るくなった。

 

恐竜話で盛り上がる二人を見て

 

「・・なんか。 奏がピアノ以外の話であんなに盛り上がるの初めて見たかも、」

 

さくらはやや驚いたように言った。

 

「確かに・・。」

 

ひなたでさえ見たことがないテンションだった。

 

「男子だねえ。 コブつきデートって。 ・・大変だね、」

 

さくらは笑ってひなたの背中を叩いた。

 

「はあ、」

 

ひなたは力なく答えた。

 

 

人見知りの凛太郎が、もう奏と手を繋いで嬉しそうに歩いている。

 

いや

 

手ェ繋ぐのあたしだから!

 

ひなたはそう言いたい気持ちを必死に抑えた。

 

「じゃあ・・『くるま』!」

 

「ま・・『まんが』!」

 

しりとりなんかしちゃって。

 

「つぎ。 おねえちゃんだよ、」

 

そう言われ

 

「『が』? ・・・『がまん』。」

 

思わず答えて

 

「『ん』がついたー! おねえちゃんのまけーー!」

 

弟の勝ち誇った顔が、またそのモヤモヤに拍車をかけた…

 

奏と凛太郎のテンションにひなたはついてゆけずに・・

 

 

 

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