Phrase(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そこに

 

「ただいま戻りましたあ、」

 

声がして思わず入口の方を見てしまった。

 

「おつかれ、」

 

また斯波は本の山に囲まれたデスクに戻り、声だけしか聞こえない状態になっていた。

 

「あれ?」

 

奏に気付いた彼が覗き込んできた。

 

「あ、」

 

奏は思わず小さな声を挙げた。

 

「高遠、奏くん?」

 

その男に確認された。

 

「は、はい。」

 

「あー、なんか前に会った時よりめっちゃ大人っぽくなったじゃん。 」

 

「あ。 マサヒロさんの・・コンサートの時に。」

 

奏は2年前のことを思い出した。

 

初めてひなたに真尋のコンサートに連れて行ってもらった時。

 

楽屋にいたことを思い出す。

 

「真尋さんの・・マネージャーさん、ですか・・?」

 

思わず聞くと

 

「え? マネージャー? 違うよ。 いちおうここの社員。 真尋さんってああいう人じゃん? 誰でも傍につけるわけじゃないんだよ・・。 おれクラスじゃないと。 あ。 おれ八神。」

 

八神はそのまま奏の前に座ってしまった。

 

「あ、すみません・・」

 

しかし

 

「真尋の世話係だろ、」

 

斯波の声だけのつっこみが聞こえてきて、思わず笑いそうになってしまった。

 

「え? もー。 それを言ったらミもフタもない。 どしたの? 今日は。」

 

「あっと・・。 志藤さんに学校の帰りに寄るように言われて・・」

 

「志藤さん? あー、そっか。 志藤さんが久々に自らの管轄に置いてプロデュースしてるって言ってたっけ。 あのCM見たよ。めっちゃよかった! ピアノ巧いしさあ、イケメンで。 なんかね。 取材したいって殺到してるらしいよ。 でも志藤さんが全部シャットアウトしてるって、」

 

おしゃべりな八神はどんどんとしゃべった。

 

「その制服、藝高? すごいね。 しかも藝高だもんね。 おれもなー、中学の時に親に受験させてくれって言ったら冗談じゃねえって怒られた。 ま、無理だったけどね。 ね、志藤さん、めっちゃ怖くない? おれ志藤さんに誘われてここに入ったんだけど、とにかく罵る言葉が泉のように湧いて出てくるじゃん? けっこう影で泣いたよー、」

 

「・・はあ、」

 

「で。 まだひなたちゃんとつきあってんの? よく志藤さんに許されたよね。 まあ、高遠くんくらいのポテンシャルあったらさ、文句のつけようもないけど。 だいたいさあ・・」

 

さらに続きそうだったところに

 

「おい、いいから早く仕事しろ! 電話のメモ、溜まってんぞ!」

 

また声だけ斯波に怒られた。

 

八神は相変わらずです・・・

 

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