Penny Lane(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そろそろ寝ようか

 

と思った頃。

 

スカイプの着信があった。

 

「え? 瑠依?」

 

画面を見てさくらは驚いた。

 

「やっほー。 さくらちゃーん!」

 

相も変わらずな感じの瑠依がそこに映し出された。

 

「どうしたのよ、いきなり。」

 

「え、さくらちゃんどーしてっかなーって。 奏からLINE来たよ。 3次に進んだんだってね、」

 

「ああ、うん。 ちょっと手を痛めちゃって心配したんだけど。 なんとか、」

 

「会社の方はどう? 奏から新しい社員の人来たって聞いたけど。」

 

「うん。 順調だよ。 なんとか社員も増やせたし。 仕事もちょいちょい来てるし。 あんたの方はどうなの? 英語、大丈夫?」

 

「ずっと英会話の学校行ってたから。 聞くだけはなんとか。 しゃべるのはまだ中2って感じだけど。」

 

「そう。 ま、どんどん友達作ってしゃべることだよ。 瑠依ならすぐ友達できそうだもんね。」

 

「うん。 住んでるアパートにも同じ学校の学生がいるんだ。 部屋に遊びに行ったりしてるよ。 最近、父さんと連絡取ってないんだけど。 元気なの?」

 

呑気な質問に

 

「え、青森のお父さんが倒れちゃって。 今向こうに帰ってるよ。 聞いてないの? 心臓らしいけど、なんとか手術して大丈夫だろうって言われたとか・・」

 

さくらは少し驚いた。

 

「は? おじいちゃんが? いつ?」

 

瑠依は本当に知らなかったようで、こっちも驚いた。

 

「えーと、一昨日・・だったかな。」

 

「なんで、言わないかな・・。 あの人は。 ま、離婚しておれは祐美さんの方についたとはいえ。18年間おじいちゃんとして会ったりしてたのに。 水臭いと思わない?」

 

「息子にも。 言わないんだ・・」

 

さくらは思わずこぼした。

 

「え?」

 

「あたしも。 知らされてなかったし。 向こうに帰ったの、知らなかったし。」

 

ちょっと膨れて言った。

 

「そうなの? や、おれはさ。 今こっちにいるわけで、言っても心配させるだけって思ったのかもしれないけど。さくらちゃんに言わないで行くってなんなん?」

 

「そんなもん! こっちが聞きたいわよ。 奏のコンクールが次の日だったからって・・言ってたけど。 あんまりでしょ?」

 

さくらは堰を切ったように瑠依に愚痴った。

 

「まあねー。 でも。 あの人ならありえるかもなーとも思うし。」

 

「え、アリなの?」

 

「さくらちゃんに迷惑かけたくなかったんだと思うけど。 それだけだと思う、」

 

「だから。 それが水くさいでしょうが。」

 

「でもそれが。 あの人なんだよね。 考えてごらんよ。 あの人。 女性とつきあったことないんだよ? どういうこと彼女に言ったらいいとか。 そんなこともあの年でわからないんだから、」

 

スマホの画面の向こうの瑠依は優しく笑っていた。

 

 

40を過ぎて女性と『つきあう』経験がなかった父を瑠依は思いやります。 そしてさくらは…

 

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