Penny Lane(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「耕ちゃん、ごはん持ってきたよ。あとで食べて。」

 

夜になり、義姉が弁当を差し入れに来た。

 

「あ、ありがとう。 さっき先生が反応はあるから明日にはもう少し起きてる時間が増えるだろうって。」

 

「そう。 良かった。 うん、顔色もよぐなったし、」

 

義姉は父の顔色を見て笑った。

 

「10時以降は完全看護になるから帰ってもいいんだよ、」

 

「うん。 もう少し・・いるよ。 普段あんまり帰らないで親不孝しでっから、」

 

「そんなの気にしなくていいよ。 まあお義父さんもお義母さんも耕ちゃんのことは心配してるんだろうけど。正直、忘れてる部分もあるど思うのよ、」

 

義姉は笑った。

 

つられて笑いながら

 

「うん、そうだと思っだ、」

 

この義姉の明るさにいつも助けられる。

 

 

「ね。 この前の。 ピアノの先生とうまぐいっでるの?」

 

そしていきなりそんなことを訊かれて

 

「えっ、」

 

一瞬焦った。

 

「うまぐ・・うん、いっでるといえば、いっでるのかもしれないけどー・・。 いちおう。 つきあってる感じにはなっでるけど、」

 

そして恥ずかしそうに小声でうつむいた。

 

「えー、よがったねえ。 そうなんだあ。」

 

義姉はポンと背中を叩いた。

 

「いい年こいて。 恋愛もなにもないけど、」

 

「年なんか。関係ねえっで。 恋愛はいくづになっでもするよ。 逆に羨ましい。 わだしはさ、泰ちゃんとは中学も高校も同級生で、その頃からのつきあいでさ。 お互い高校卒業してすぐにはだらき始めたもんだから、結婚もすぐだったし。 正直、恋なんが。泰ちゃんとしかしだことないよ、」

 

義姉の真喜子は宙を見てため息をついた。

 

「おれだって。 ずっと彼女もいねぐで。 急に結婚することになって。 なんが・・恋愛って難しいなって。 この年になって思う。女性の気持ちとか。 よぐわがんねぐって。 今もずっと迷うことばっかり、」

 

葦切はさくらのことを思う。

 

「彼女、キレイだもんね。 テキパキしてて、仕事もできそうだし。 でもさ、結婚とか。 考えてないの?」

 

「結婚、」

 

葦切はその言葉を反芻してから

 

「・・そんなもん。 考えるだけでバチがあたりそうだ、」

 

自嘲した。

 

「バチなんか。 恋愛って。どっちが上で下とかないでしょ。 対等でしょ。 いや、対等じゃないと。やってけないでしょ、」

 

笑っていた義姉は真面目な顔になってそう言った。

 

「え、」

 

「なんの裏もなく、なんの計算もなく。 好きだから一緒にいるわけで。 それ以上も以下もないでしょ。 あたしたちも何度もケンカして、何度も別れようかと思ったし、実際半年くらい連絡取らねえでってこともあった。 でもやっぱりこの人が必要だなって絶対思っちゃう。 悔しいけど、」

 

両親はとても年を取ったと思うけれど

 

この義姉は兄の彼女として初めてウチにやってきた中学生の時から本当に変わらない。

 

それがすごくうれしい気がして葦切はふと微笑んだ。

 

葦切は義姉に恋愛の難しさを思わずこぼします・・

 

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