Penny Lane(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

あれから葦切へのLINEはいまだに既読になっていなかった。

 

「・・大変・・って?」

 

さくらは戸惑いながらそう口にした。

 

「え。 聞いてへんの? 葦切さんのお父さんが倒れて。 昨日の朝連絡あったらしいよ。実家に行くことになったから会社休むって、」

 

「は・・」

 

さくらの表情に南はやや困惑した。

 

「お父さんが。 倒れた・・」

 

その彼女の様子に

 

「・・なんか・・心臓かなんかで手術したとか・・そのあと連絡あって、」

 

あんなに張り切っていた南の声がどんどん小さくなっていった。

 

「・・知らなかった、」

 

さくらはぽつりとつぶやいた。

 

「いや、さくらちゃんが奏のコンクールが近いから。 気を遣ったんやないのかな。 うん、」

 

南がそう言って取り繕ったが

 

「LINEが丸一日以上既読にならないんだよ? よっぽどじゃない? てか。 なんであたしに言わない?」

 

さくらはこの間からのモヤモヤが一気に爆発してしまった。

 

「奏のコンクールも。 ぜひ行きたいって言ってたのに。 連絡もないんだよ? おかしいでしょうが、」

 

どんどんヒートアップする彼女に

 

「ちょ、ちょっと。 落ち着いて。」

 

さっきまで南の方がいさめられていたのに、いきなり形勢逆転した。

 

「なんか、最近モヤることばっかりで! ハッキリ言わないし! 絶対なんかあたしに不満あるでしょってダダモレなのに、一切言わないし! あたしたちつきあってんの? しかもお互いこの年になってつきあってるって言うのに。 この何とも言えない隔たり。 なんなの?」

 

「あたしに言われても。 したらさくらちゃんがちゃんと聞けばええやんかー。 葦切さんは不満があってもすぐ口にするような人やない。 いつも余計なことを言わずに問題が起こっても解決するような人やし。 そんなんさくらちゃんもわかってるやんか、」

 

南はいきなりキレ出したさくらに口をとがらせた。

 

「わかってるけど!」

 

「あのね。 この年だからこそ。 話し合うことが必要でしょうが。 青臭いカップルみたいなこと言わないで、」

 

南はぴしゃっとそう言った。

 

確かに。

 

自分も腰が引けてた部分があったかもしれないけど。

 

さくらは少しだけ冷静になってそう思った。

 

でも。

 

やっぱり言って欲しいじゃない・・

 

しかもこんなに大事なこと。

 

さくらはうつむいて小さなため息をついた。

 

奏のことに集中したいのに、さくらは葦切のことが気になって仕方がなかった。

 

梓も合流して、席についたところでさくらは席を外して葦切に電話を掛けた。

 

呼び出し音がずっと鳴っていてなかなか出ない。

 

もう切ろうかと思った時

 

「・・もしもし、」

 

彼の声がした。

 

父が倒れたことも言ってくれない葦切にさくらは不満が爆発してしまい…

 

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