Beyond the dream(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「うーーーー、しぬ。」

 

ひなたは家に帰るなりリビングのソファーにごろんと寝ころんだ。

 

「もー、手くらい洗ってよ。 ほらごはん。」

 

ゆうこはそんな娘に渋い顔をした。

 

「・・・からだ。 動かない・・」

 

つっぷしたまま固まった。

 

めでたく第一志望の高校に入学し、憧れのチアダンス部に入部。

 

小学生の頃ずっとヒップホップをやっていたので

 

すぐできる

 

と思っていたのが大間違いだった。

 

「・・・今日なんかずううっとグラウンド走らされっぱなしだよ? 陸上部かって、」

 

つっぷしながらひなたは籠った声で言った。

 

「どの運動部でも、新入部員はそんなもんでしょ。 体力つけなきゃ。」

 

「ランニングと柔軟。 もう2週間コレなんだけど。 身体・・ヘンなとこいたい・・」

 

むくっと起き上がって太ももをさすった。

 

「自分でやりたくて決めたんでしょ。 泣き言いわないの。 ほら、手を洗って。 おなか空いたでしょ、」

 

テーブルに夕飯を運んできた。

 

「う・・・なんか・・ほんっと身体痛い・・・」

 

ようやく洗面所にずるずると歩いて行った。

 

 

部活だけでなく、高校に入ると勉強も大変で

 

勉強が苦手なひなたはそこも問題で、毎日出る宿題を眠気と戦いながらこなす。

 

九段坂高校のチアダンス部は都内でもそこそこ強豪で3年前には全国大会に出たこともある。

 

週3の朝練と毎日の夕練。

 

毎日があっという間に過ぎる。

 

 

「あーあと10日かあ。 早いね。」

 

さくらはカレンダーを見ながら言った。

 

奏もふっとそのカレンダーに目をやった。

 

初めての国際コンクール。

 

すでに映像審査は通っているので、2日間に渡って審査があり結果が出る。

 

藝高での生活は思ったほど慣れないものではなく

 

とにかくピアノ中心の生活になれたことが本当に充実して楽しく

 

周囲の生徒たちも特殊感があるのかと思ったけれど案外普通で

 

凌ぎ削り合うという雰囲気でもなく、音楽を志す者同士の会話も楽しい。

 

全国から才能ある学生が集まっているけれど

 

今回のコンクールに参加をするのは学校の中でも奏一人だった。

 

 

「そういや。 ひなたどうしてんの? 最近来ないし。」

 

さくらは思い出したように言った。

 

「忙しそうですよ。 部活と宿題がキツいって言ってました。」

 

「高校は留年があるから。 勉強もちゃんとやらないと、だしね。 だいじょぶかなあ。」

 

さくらはふっと笑った。

 

ひなたと奏の高校生活が始まりました。

そして奏のコンクールまであとわずかに…

 

 

 

奏の登場はこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

 

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