Twilignt(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

葦切は呆然としながら再びドアを開けた。

 

瑠依はゆっくりと振り返る。

 

「・・え、」

 

葦切は小さな声をあげた。

 

瑠依はスッと立ちあがって、そしてまたあの笑顔で

 

「・・よっ!!」

 

彼に右手を挙げた。

 

「・・どう、して?」

 

「呼ばれた、」

 

二人のやり取りを3人は呆然と見ていた。

 

「・・あの、」

 

斯波が異様に感じ、思わず声を出した。

 

「めっちゃグッドタイミングで。 『親』来ましたー」

 

そんな大人たちの戸惑いを打ち破るように瑠依はことさら明るくそう言って笑った。

 

「親!」

 

三人は同時に声を上げてしまった。

 

瑠依は立ちあがって、葦切の肩に手を置いて

 

「オヤジっす、」

 

と言った。

 

もう驚いて三人は声も出せなかった。

 

「・・すみません・・」

 

全く謝る必要はないのだが、この固まった空気の責任を感じ

 

葦切は小さな声でそう言った。

 

「え? え? 息子? と、お父さん???」

 

南が立ち上がった。

 

「はあ・・、」

 

葦切はまだ事態が飲みこめていなかった。

 

「おれはホクトさんから連絡貰った時から、『あ、そーなんだ。 めっちゃ偶然!』って思ってたよ。 相談しようかどうか迷ったけど、ま。 お互いさ、自分の道行こうねって誓い合ったし、」

 

瑠依は対照的に明るく言った。

 

「ん? って。 名字、違うけど・・ あ、離婚・・」

 

斯波はようやくその事実に気付いた。

 

 

「そーッス。 2年くらい前ですかね。 オヤ、離婚したんで。 おれはどっちでもよかったんだけど、お袋の名前を名乗ることにしました。 ちょうど大学進学のタイミングだったんで。」

 

「・・似て、ないね。」

 

南がボソっと言うと、一瞬二人は固まったが

 

「よく言われます、」

 

瑠依はまた笑顔で言った。

 

 

「えっ、瑠依を。 ホクトに、」

 

ことのいきさつを聞いて葦切は驚いた。

 

「まあこれも偶然というか縁というか。 今、聴かせてもらったんだけどー。 なかなかおもろいなって思って。 オケとは別にソロで契約してもらって・・色々やりたいかなって、」

 

志藤はざっと説明した。

 

「そう、でしたか。 本当にびっくりしました、」

 

葦切はまだ動揺していた。

 

「おれ。 やってみたいんだけど。 いいかな。」

 

瑠依はその場で葦切に言った。

 

「・・それは。 もちろん、おまえの思うままに・・」

 

「よっしゃ。 そーゆーことで。 お願いします!」

 

瑠依は勢いよく頭を下げた。

 

サックスを布で拭いてケースにしまおうとした時、何気なく斯波は見えてしまった。

 

『Junta SAGA』

 

という名がサックスの後ろ側に刻まれているのを。

 

なんと瑠依と葦切は『親子』でした。 そして斯波は彼のサックスに刻まれた名前を見て・・

ひなたと奏の出会いはこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

 
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