Blue Bird(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あ、斯波さん。 コピーの調子が悪いんで修理の人に来てもらったんですよー、」

 

夏希は明るくそう言った。

 

「は???」

 

斯波はその『男』と夏希を交互に見て慌てた。

 

そこに

 

「すみませーん。 コピー機の修理の者ですがー」

 

と、メーカーの人間らしき人物が現れた。

 

「え???」

 

夏希もさすがにうろたえた。

 

その『男』はそんな彼らをニコニコと見守った。

 

 

「すみません、ちょっと早くついてしまって。 受付の方にはアポは取れているので上で待っていて下さいって言われて。 そのうち誰か帰ってくるって言うんで、」

 

「すみません・・。 なんっか・・・コピーの修理まで、」

 

「いえいえ。 もうOA機器の簡単なものなら自分で直せますから。 もうなんでも屋ですよ、」

 

「あのう・・」

 

夏希は申し訳なさそうに二人の間に入って行った。

 

「・・新しく、事業部に来てもらうことになった葦切さん。 コピー屋じゃねーから、」

 

斯波は呆れたように言った。

 

「えっ・・・・」

 

さすがの夏希も絶句した。

 

「す、すみませんっ!! てっきり、」

 

慌てて頭を下げた。

 

「いえいえ。 斯波さんからきっちりスーツなんか着て来なくていいですって言われてこんな恰好で来てしまったので。」

 

葦切は特に気に留めてないように笑った。

 

「でも! どう見てもコピー修理の人間じゃねーだろ! おまえの判断力どーなってんだ!」

 

「ハア・・。 よくよく考えたら・・。」

 

「まったく! おまえの物差しはいつ人並みになるんだっつーの!」

 

「すみません・・」

 

二人のやり取りに葦切はおかしそうに笑って、

 

「元気のいい人ですね。」

 

と言った。

 

「ああ、バカなんですよ。 単なる。」

 

「や、もうちょっと遠まわしに言って下さいよ。 ミもフタもない・・。 でも、すっごい機械に詳しいんですよー。 ほら、ここって男の人たくさんいるけど、あんまりこういうことで役に立たないっていうかー。 みんなめっちゃ文系で全然ダメだし、」

 

「悪かったな、」

 

「音楽に関わっている人は。 コードの配線ひとつできないもんです。 私はわりとこういうのが好きなんで。 できなくて普通なんです、」

 

葦切は優しく笑った。

 

「アシキリさんは今までのここの男性社員とは全然違う気がします・・」

 

夏希は大まじめにそう言うと

 

「だーかーら! 『ヨシキリ』! おまえ、ほんっと耳ダメな。 空耳多すぎ!」

 

斯波はイラついて丸めた資料で彼女の頭をポカっと叩いた。

 

「え? 『オシキリ』?」

 

たたみかけられてもう斯波も笑ってしまった。

 

 

夏希は相変わらずです。そして葦切耕平が事業部の一員となりました。

 

ひなたと奏の出会いはこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

 
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