つぶやき。 | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

前回のつぶやきで


夏希の実家が『いわき』になったわけは学生時代の友人がそうだったから・・・


と書きました。



その彼女とはもう何年も年賀状だけのやりとりで、電話もずっとしていなかったのですが


なんだか気になって、昨日久しぶりのメールをしてみました。



この地震がおきて、いわきが放射能の恐怖にさらされるニュースを見るたびに彼女のことを思い出していました。


それでも


一昨年の年賀状がとうとう『宛先人不明』で戻ってきてしまい


ああ


引っ越したんだな。


新しい住所を教えてもらえなかった・・・



と、すごく寂しい気持ちで


メアドは知っていたけど、連絡をする勇気がなく


そのままになっていて



今回も連絡なんかして返事が来るだろうか



と心配でなかなかできなかったという次第でした。




実家の方はどう?



と、心配するメールをすると


すぐに返事がきました。


もともとメールをしても、なかなか返事をくれない彼女だったのに。


と、そこでびっくり。



そこには長い長いメールが綴られていました。



彼女のお母さん、弟、妹夫婦と子供たちは無事だったことが書かれていてまずホッとしました。


それでも親戚の人たちは無事だったものの家は海沿いで家を流されてしまったとのことでした。



そして原発の問題は。



彼女の実家は政府が避難を強制した区域からは少し離れていたけれども


自主的に避難をしていたとのことでした。




しかし


彼女の幼なじみたちや中学、高校時代の友人たちのご主人や家族は原発に勤めていて


今も必死の作業をしている、



看護師になった友人も警戒区域内の病院で今も毎日仕事をしている・・・



と、本当に胸が痛いばかりの文章が綴られておりました。



そして彼女の家族も


やはり、いわきを離れることはできない、と家に戻ったそうです。


みんながいわきを離れてしまって


町がまるでゴーストタウンのようになり


店も閉まって、本当に大変だけれども


いわきをこのままにしたくない!


との思いでいっぱいだったようです。



すごく


すごく


胸打たれました。



東京に住んでいる自分は


こんな風に自分のいる町のことを思えるだろうか。



津波で被害を受けて


瓦礫ばかりの町になってしまったところもたくさんあるけれど



やっぱりここで生まれ育った人たちは



町を捨てて生きることを選ぶことは


断腸の思いであろうと。




何年も連絡をしていなかったのに



彼女は



『連絡をくれて、本当に嬉しかった。 ありがとう』



と書いてくれました。



ああ


もっともっとすぐに連絡をすればよかった・・・



すぐに私は後悔をして


いろいろと考えすぎてしまった自分を恥じました。




その友人は私が今まで出会ってきた人たちとは違う不思議な縁を感じる人で


楽しいと思えることや


悲しいと思えることが


不思議にぴったりと合わさるような人でした。


性格は正反対だけど、私はつらいことがあるたびに彼女に会いに行ったりしました。



何年も会わずに


お互い結婚して同じ年くらいの子供を持つようになって



それでもいつも『友人』としての彼女が私の心の中にいました。



ただのメールのやりとりではありましたが


何だか切なく、懐かしく


そして


あったかい気持ちになった一日でした。




---Hina合格