Daybreak(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

きっと夜景を見るたびに



今日のことを思い出すかもしれない。



それはいつの日か悲しい思い出じゃなくて


懐かしい思い出になりますように・・・。




茜は自分でも驚くほどに

落ち着いていた。






「よし! 今日も頑張っていきましょう!」



茜は翌日の練習前にみんなに明るくそう言った。



「気合入ってるじゃん、」


みんなからからかわれたが



「なんか。 ヴァイオリンが楽しくってたまらないんです。 今、」



それは偽りない気持ちだった。



「張り切るのはいいけど、」


いつものように麗子が毒づいても


なんだかそれも懐かしい感じで。



「あたし。 とうぶんはヴァイオリン・オンリーで頑張りたいんです。 もう他には何もない、」


茜は堂々と彼女に言った。



「え・・・」



麗子は意外そうに彼女を見た。



「佐田さん。 この公演、絶対にいいものにしましょう。  いい音楽を・・たくさんの人に届けましょう、」



彼女の熱意に押されてしまった。



「・・あ、あなたに言われなくたって。 わかってるわよ、」



麗子は強がってそんな風に言ってしまった。



茜はクスっと笑ってヴァイオリンをケースから取り出した。




有吏は

茜が元気を取り戻してくれたことがなにより嬉しかった。



「千堂さん。 これ、明日からのスケジュールです。」


とコピーを手渡す。


「あ、ありがと。 そっか来週からホールでリハなんだね。 もうすぐだな~、」


それを見ながら言った。



有吏は思わず



「・・千堂さんが元気になってよかったです、」



と口にした。



「え、」



茜は彼を見た。



「ぼくは。  千堂さんの笑顔を見ていたいから、」



もう

精一杯の『告白』だった。




茜は少し考えた後



「ありがとう。  ほんと。 いつもありがとう。 」



有吏にそう言って微笑んだ。



「千堂さん、」



「あたしは。 もう迷わずにヴァイオリンだけ・・頑張るし。」



彼女の口から

結城への思いは聞いたわけではないけれど



でも


もう何も言う必要なんかない。




その


『ありがとう』


の言葉で


有吏の気持ちもすっきりと晴れ渡った気がした。





そして有吏もまた茜への気持ちを前向きに切り替えようとしています・・


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