Daybreak(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「女の子がこんなに愛しいと思ったことも。 ・・久しぶりだった。」



結城は頬づえをついて、優しい笑顔を浮かべた。



ずっと


会話をしていても本音が見えなくて

全部、ウソばっかりって感じで。


だけど


今は


すごく彼の言葉が素直に心に入ってくる。




「あ・・・」



茜は口を開いたとたんに言葉と一緒に涙がこぼれた。



すごく嬉しいはずなのに


もう

胸が締め付けられそうなほど悲しくて。




この恋は

絶対に実らないって

わかってるから。





「だけど。  おれたちは・・もう近づかない方がいいな。 このままの距離でいたほうがいい。」



それは結城にもわかっていた。




「事業部の人間とオケのメンバーとの恋愛が禁止だってことだけじゃなくて。 やっぱりきみは・・今はヴァイオリンに打ち込むべきだから、」




「・・結城さん。 事業部に戻ってください・・。」



茜は涙を拭きながら言った。



「え、」



「音楽を・・・捨てないで。  あ、あたしは・・これからもっともっと本気でヴァイオリンを頑張ります。 いつかは海外へ行って。 日本一の演奏家になります、」



茜は目にいっぱい涙をためて、

それでも

力強くそう言った。




「世界一、だよ。」



結城はニッコリと笑った。



「そ、そこまでは・・・無理かもなんですけど、」



急に現実的にそう言った彼女に

思わず笑ってしまった。




こんなに心からの笑顔も

初めて見た。




「ありがとう、」



結城はポツリとそう言った。



「え、」



「きみに会えて。 よかったよ。  これからもきみが素晴らしい演奏家になることだけ、願ってる。」




ありがとう


には


さよならって


そういう意味があるなんて



あたしは知らなかった。



彼から抱きしめられたことを思い出して



夢の中のことのようだったけど


あたしはホントに幸せだった・・。




茜は止まりかけた涙がまたこぼれおちた。




お互いを思いながらも離れることを決心する二人・・(ノω・、)


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