いいのかなあ・・・。
有吏はどうしていいのかわらかず歩いていく結城についていく。
その彼女は呆然と立ちすくんでいたが、いきなりまた追いかけてきた。
「ゆ、結城さん!」
それに気づいた有吏が彼の背中を叩く。
「あ?」
すごい勢いで走ってきた彼女は結城の前に回りこんだ。
「・・・あたし・・・妊娠してるの!」
そして
すごい告白をしてきた。
へ・・・。
有吏はもう目を丸くして思わず大きな声を出るところを自分で口を手で押さえてしまった。
「もう3ヶ月過ぎてるの!! ヒロの子供だよ?? どーしてくれるのよっ! ぜんっぜん・・連絡取れなくなったから!!」
彼女は泣き出してしまった。
に、
妊娠???
自分が置かれた状況がすごいことになってきているのを有吏は感じた。
「も~~~、責任とってよ~~~、」
彼女は顔に手を当ててわんわん泣きだした。
有吏はおそるおそる結城の顔を伺う。
・・・・・
それにまた驚いた。
いつものように姿勢よくしゃんと立ち。
ひとつも顔色を変えない彼がそこにいた。
そして
「おれに対して。 ウソをつく時点で、もう愛じゃないよ。」
まるでテレビドラマのようなセリフを吐いた。
彼女はハッと顔を上げ、
「う、ウソじゃないわよっ!」
もう涙でぐちゃぐちゃな顔で言う。
「・・・ありえないから。 絶対に。」
自信満々にそう言ってまた平然とした笑顔ですうっとその場を去ってしまった。
もう
彼女には追いかける気力は残ってないようだった。
「いいんですか?」
しばらくして有吏は結城に言った。
「え?」
「なんか・・ちょっとかわいそうでした、」
「ウソついて。 引き止めて。 何の解決になる? もう、その時点で終わってるって。」
結城は落ち着いてそう言ってタバコに火をつけた。
妊娠をすぐにウソと見抜いた結城は、有吏には理解できないほど落ち着き払って・・
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