From now on(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ま・・・・でも。 美人のねーちゃんに会えたから、いっか。」


タバコをくわえながらライターを胸ポケットから探り出して結城は言った。



「は・・・」

有吏はポカンとした。



「想像以上の。 美女、だったな~~~。 あんまおまえと似てないな、」


シレっとして言われ


「はあ?????」


思わず彼ににじり寄った。



「銀座のクラブのお姉ちゃんっつーから。 けっこうケバめな感じを想像してたんだけど。 そこらへんのOLより擦れてなさそうだし。 涼しげで透明感あふれてて。 清楚で。  おれももっと稼げたらな~~。 彼女のいる店にも通っちゃうけど。」

結城はいつもの笑顔でそう言った。



「・・・・・・・」



思いっきり真面目な顔になってしまった有吏の顔を見て



「ジョーダンだって。 ジョーダン、」


笑ってその話を終わらせてしまった。





あんま


ジョーダンに聞こえないんだけど・・・




有吏は少し複雑な気持ちだった。





昼休み


結城は屋上の日陰でひとりぼんやりとしていた。


思い出したように携帯を取り出しメールをチェックする。




それを見て、少し落胆したように小さなため息をついた。




それから1週間ほどしたころだった。



「あ~~~、なんっか忙しいなあ。 ここんとこ、」


帰りが一緒になった結城と有吏は会社のエントランスを出た。



「まだ真尋さんがらみの仕事が今日本でないからマシだって南さんが言ってましたよ、」

有吏は笑う。


そして二人で外に出たとたん。



「ちょっと!!」


女性の声がして二人は驚いて振り返る。



ものすごく怖い顔をした女性がずんずんと二人に向かってくる。



なっ・・・

なんだ???



有吏は怖くなって思わず結城の陰に隠れた。



「ヒロっ!! ようやくつかまえたわよっ!!」


その人はものすごい形相で結城に掴みかかった。




「ぜんっぜんケータイつながんないしっ! 家だって教えてくれないし!」


興奮する彼女に対し、結城はしごく落ち着いた様子で


「だってケータイツブしちゃったし、」


ケロっとして言った。



「はあ?? ツブした??」


その彼女だけでなく。


有吏も驚いた。



「ちょっとね。 仕事本気でがんばろっかな~~って。」



もうこんなに興奮しているのがアホらしくなるくらい平然としていた。



「じょっ・・・ジョーダンじゃないわよっ! もう、さんっざんその気にさせるようなことばっか言って! あたしだけって言ったのに!!」


もうこの彼女が気の毒になってくる。



「ゴメン。 そーゆーことだから。 じゃ、元気でね。」



結城はニッコリ笑って、もう泣きそうになっている彼女をそこにおいてきぼりにしてしまった。



え?

え~~????


いいの?

ソレ・・・。


有吏は慌てて彼女に振り返りながら彼を追いかけた。



わかりやすい感じでいきなり女子に責められる結城ですが・・・


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