Beginning(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あ~、・・無残な姿に、」



家に帰り、持ち帰った結婚指輪を見たゆうこはため息をついた。



「・・ひょっとして切るくらいなら直せるかもって思ったけど。 もうムリやと思う・・・」


志藤もすまなそうに言った。



「結婚式の指輪の交換も・・・無理ですね、」



「・・ごめん、」



もうそう言うしかなかった。



「・・ごはんできてます。 着替えてきてください。 痛みますか?」


ゆうこは立て直してそう言った。


「ん・・・。 痛み止めもらったし。 今はそんなに痛くない、」


と寝室に入って行った。




片手でネクタイを外すのも大変やな、



そう思いながらも



『私がもっと早く気づいていれば・・・・』



必死に頭を下げる怜子のことを思い出した。



真面目な人なんやなあ・・・



優しくて。


何より美女すぎるし。




思い出してニヤけてしまう。




なんとか着替えてリビングに戻ろうとすると、ドアの隙間からゆうこがテーブルに置かれた指輪を見てじっとしているのが目に入る。



え・・・



彼女は泣いていた。




泣いてる・・?




どきんとして胸を押さえた。




たぶん


彼女のことだから


ここまで来るまでのことなんか思い出して


胸がいっぱいになっちゃってるんだろう・・・




二人だけであの指輪を交換した時のことを思い出してしまった。




妊娠しておなかが大きくなるまで


籍を入れられなかった


それでも彼女への永遠の愛を誓いたくて


あの指輪を交換した。




も~~~


彼女の涙だけは見たくなかったのに。


絶対に泣かさないって決めたのに。



こんなことで泣かせてしまうとは・・・




もう志藤の良心は痛くて痛くてどうしようもなかった。


そしてあの美人女医のことなんか考えてニヤついていた自分にも・・・



ゆうこを早速泣かせてしまって志藤はふか~~~く反省します・・・


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