Beginning(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「は・・・指輪を??」


ゆうこも驚いた。



「・・まだレントゲンも撮れへんねん・・・。 でも、とりあえず外さないとって。 でも・・・」


だんだん志藤の声が小さくなってしまった。



ゆうこはしばらく無言になったあと、



「・・しょうがないですよ。 そういう事情なら・・・。 切ってもらわないと、」



ため息混じりに言った。



「・・ごめん・・」



あまりに結婚を慌しく決めてしまい


式も挙げられず



なんとか子供が生まれて、その式も2週間後に挙げることになっていた。



形式的に交わした結婚指輪だったが


二人にとっては思いが深く、大切なものだった。




「・・・それより。 大丈夫ですか? あたしもひなたを預けて行きます、」



「や・・・痛いのは指だけやから。 また・・連絡する、」



非常に落ち込んで電話を切った。



「・・奥さま、ですか?」


怜子が気にして声を掛けた。



「や・・・。 まだね。 結婚して半年で。 いちおう指輪を切る事を了承してもらわないとって、」


志藤はバツが悪そうに言った。



「そう・・ですか。 本当にガッカリされたでしょうね・・・。」


怜子もガッカリしたように言った。



「また買いなおせばいいですから。」


「でも・・やっぱり結婚指輪は特別ですし。 ・・本当に・・すみませんでした、」


まるで自分の責任のように頭を下げる怜子に


「そ、そんな! 先生のせいじゃありません。 元はと言えばおれがおっちょこちょいで、」


恐縮してしまう。




そこからまた指輪を切断する機械なんかを持ってこられて、非常に大掛かりな事態になってしまった。


無残に指輪は切られ、そして腫れあがった指を抜くために広げられ。



直すにももう非常に難しい状態になってしまった。



あ~~あ・・・



ひしゃげたそれを手に取り志藤はやっぱり落ち込んだ。




そして


そうして撮ったレントゲンにはやっぱり第一関節の上あたりがポッキリ折れたものが映り。



「骨折してますね、」



医師の言葉が無常に響いた。




は・・・やっぱりね・・・




もう身体の力が全部抜けてしまった。




「え! なにソレ!」


会社に戻ると南のけたたましい声が部屋中に響き渡ってしまった。



「見たまんまやん・・・」



志藤はぐるぐる巻きの包帯状態の左手を見せた。



「やっぱ折れてたの?」


「・・んー。 ギプスさせられた。」


「も~~~。 結婚式、再来週やろ? そんな手ですんの?」


呆れられ


「そんなもんな~~! ・・・どんな手だってできるって、」



テンションは下がるばかりで・・・




ようやく挙げることになった結婚式がもうすぐだというのに、志藤は・・・


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