Beginning(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

今日も新規スポンサー獲得で半日二人で外出だった。



「ま、今日は成果ナシやったな・・・」


「そんな日もあります。 いいときばっかりじゃあ、逆にこの先心配になっちゃいますからね。」


泉川は暢気に笑った。



時計を見るともう7時半だった。



「・・もう直帰しよか。 南に連絡しとくし。 メシでも行く?」



なんだか


わからないけど彼を誘いたくなった。



泉川はニコーっと笑って



「さりげなくそーやって誘うトコも。 決まってますよね~~~。」



と言い出した。



「や。 別におまえ口説くとかやないし、」



もう答えるのも面倒だった。



「志藤さんならおしゃれなお店、知ってるんでしょーねー。 勉強させてください。」



「おれ、まだこっち来て1年くらいやし。 店なんか知らへん。 おまえのがよう知ってるやろ。 いい酒が飲めるとこ。」



と言うと、また嬉しそうに



「え? おれですかあ? や~~~、ま。 そういうトコ数だけは行ってますけどね~。 」


まんざらでもなさそうでもあった。





「別に。 愛を語りたいわけでもないねんけど???」



彼が連れてきたのは高層ビルの最上階の夜景がキレイに見えるバーだった。



「ここの夜景は東京一だって思ってますから。 たいていの女子は大喜びです、」





女子を口説くことに関しては


負けない自信もあったけど。



悔しいけどこの東京ではちょっと勝負でけへんかな、とも思う。





「この前。 お泊りした彼女とは別れたの?」



今朝の会話を思い出して聞いてみた。



「え? あー・・・・。 ま。 縁がなかったんじゃないですか~?」


少しはぐらかすように答えた。



「どんくらいつきあってたの、」



「1年弱・・くらいですかね。  ま、合コンで知り合ったんですけど。 外国のエアラインのCAやってたコで。 お互い忙しくてあんまデートもできなかったけど・・・それでもマメに会ったりしてたし、」



急に声のトーンが落ちた。



「親からは30に近づくにつれ、見合いだなんだって勧められるし。 もっともっと遊びたいのに、」



珍しくブスっとして言った。



「まあ・・・親にしてみれば。 おまえひとり息子なんやろ? しかも超大手企業の。 そら、親としては焦るよな。」



「でも。 結婚なんかそんな焦ってするもんじゃないし。 もう恋愛して、し飽きたってくらい遊んでおかないと絶対後悔すると思うんですよ。 志藤さんだって。 ・・・子供ができなかったらまだまだ遊びたかったでしょ??」



いきなり自分に矛先が来て思わず飲んだワインにむせそうになった。



泉川の恋愛観にさすがの志藤も・・・


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