Daybreak(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・実家にねえ・・」



斯波はため息をついた。



「まだ・・どうなるかはわかりませんけど。 だけど、このまま自分の気持ちを押し殺したまま戻っても。 何の解決にならないと思うんですよ、」



玉田は『あのこと』は自分の胸の中に秘めておこうと思った。


しかし、それ以前のいきさつは斯波と南に説明をせねば、と思い話をした。



「かわいそやな。 ・・初恋の人がお母さんになってしまったなんて。 目の前からいなくなられるよりもずっとつらい。」



南もデスクの上に手を組んだ。



「おれ。 ・・里香とのことを志藤さんにすんごい反対されて。 規則を破ったってことよりもおれを裏切ったってことが悲しいって言われた時。 もう・・どーしようもなくヘコんで。  事業部にもいられなくなるんじゃないかって思ってました。  彼女と別れることなんか絶対に考えられなかったし。 もう、諦めてましたけど。 でも。 最後は南さんを始め、みなさんの理解があって・・彼女と一緒になることができました。 志藤さんも認めてくれて。 ほんっと、嬉しかった。  今、こうやって幸せにやっていけているのも。 みなさんのおかげなんです。」



玉田は神妙に語り始めた。



「だから。 このまま結城を辞めさせたらいけない気がして。  あいつは、たぶん本当に音楽を愛しています。 千堂茜のことも彼女の才能を何とかもっと上に引き上げたいって気持ちからだったと思うし。 一緒にがんばって行ける仲間じゃないかって・・思うんです、」




「タマちゃん、」



南は胸がいっぱいになる。





なんか。


立派になったなァ・・・





ほんと。


お人よしを絵に描いたって言葉そのまんまで。


事業部ができたばっかりのころは

真尋にさんざん振り回されて

エライ目にもたくさん遭って。



後輩たちが来ても

イヤな仕事は自分がやったり。



優しくて

思いやりがあって。



セーカクの良さが顔に現れてるって

そんな感じで。



いつまでも下っ端みたいな気がしてたけど。



もう立派なオケの責任者やし、中堅としてきちんと後輩たちのことも考えてる。




昔の玉田を知る南は

まるで子供を見るように彼を見ていた。





「・・佐田はオケに戻ってきてから、なんだかものすごく真剣になって。 目の色変わってるし。 澤田さんともうまくやってる。 なんかふっきれたってゆーか。  あとは。  公演を成功させることと・・結城を立ち直らせることだな、」



斯波はいつものようにボソボソと

それでも力強く言った。



「ハイ、」



玉田はニッコリ笑った。





「へー、玉田がね。」


志藤はふっと笑った。



「あいつが。 『こうしたい』ってことあんなに主張したのも初めて見ました。 今は何とか結城を立ち直らせてやりたいと思っているようです、」



斯波は秘書課の志藤のデスクの前に行きことの経過を報告した。



「いろいろ。 起こるなァ。  おまえも大変やな、」


とつくづく言われて



「・・だいぶ。 慣れてきました。  何があっても慌てず、焦らず。 おれがあたふたしたら・・・みんなにも伝わりますから。  ・・まあ、佐田麗子が辞めるって言ったときは。 さすがに焦りましたけど。」



斯波の笑顔に

志藤は彼の成長にも顔をほころばせた。



玉田の成長に南も志藤も目を細めます。



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